FC2ブログ
昨今の脱原発路線を憂う…
Date:2011-12-01(Thr)

「駅前の今年のイルミネーションは?」「節電かな?」大きなイベントの話題ではないが、数年前から毎冬、見事な色合いを披露し、静かな名所になっていた。本町の灯りもことのほかさみしくなった。そういいながらも、商店街によってクリスマスにむかっての電飾、これはこれで美しい。

電飾の美しさを演出するのは電気だ。大阪はもちろんのこと、名古屋、東京の灯りは、普段のこの時期であれば、原子力発電所から送られる電気が大半を占めていた。

福島の事故以来、全国の原子力発電所が定期検査で停止し、この嶺南でも3発電所のみとなり、火力発電所が電気の主役となりつつある。

私が懸念しているのは、全国の電力会社が計画・建設中の原子力発電所12基の今後の動向だ。敦賀の3、4号機を筆頭に、電源開発の大間(青森県)、中国電力の島根3号機(島根県)と上関1、2号機(山口県)、九州電力の川内3号機(鹿児島県)の7基についてはこれまでの建設・計画中の通り、かわりはない。

着工済みの進捗状況は、島根3号機が93・6%、電源開発の大間が37・6%、東電の東通1号機が約10%。ただ、大間と東通1号機では事故後に本体工事は止め、建設終了間際の島根3号機は運転開始時期を来年3月から未定となった。

一方、東電は今年5月に福島第一の7、8号機計画の中止を決定している。これに続いて、昨日、東電は、青森県東通村で1月に着工し、事故後、建設を中断していた東通原子力発電所1号機の建設自体を断念する方針を固めたとの報道。

理由は事故の賠償を進めるため、十分な建設資金が確保できないためとか。東通1号機は改良タイプの沸騰水型軽水炉(ABWR)で、出力は国内最大級の138万5000キロ・ワット。17年3月の運転開始を目指していたもの。

20年以降の運転開始を予定していた東通原発2号機の建設も取りやめの方向とか。発電容量が大きいだけに地元経済はもちろん、地球環境問題への取り組みへの影響は大きい。

原子力発電所の新増設について、閣僚らで組織するエネルギー・環境会議で来年夏ごろ、その方向性が打ち出される。

一方、野田首相は10月、「建設が相当進んでいるものもある。個々の案件ごとに地元の意向も踏まえながら判断していく」との一部建設容認の見解を示していただけに残念な決定だ。

地元の青森県、特に下北半島は雇用や経済が停滞していただけに、本格着工となり進捗率もまだ1割とはいえ、活気が出始めた矢先の決定でもある。

東電は損害賠償を最優先にする中での決定で、やむ得ないと理解したいが、地元の経済や雇用、大きくは温暖化対策など総合的なエネルギー政策に影響することは確かだ。懸念するのは計画中の各発電所に与える影響も少なくはない。

資源の少ない日本にとって、福島の事故以来、エネルギー政策の方向性が見えなくなっている。特に、地球環境問題や地元への影響への配慮がなされない状況が続いている。

昨日、一昨日の河瀬市長や山口美浜町長の枝野経済相、細野原子力担当相への要請に対する答弁も明確なものはない。地元の声は聞くが、もんじゅの細野発言のように違うところで政策の決定が進みつつあるような反応が続いている。

話を戻すが、規模の大小を問わず、全国の冬のイルミネーションはすっかり定着した。各地に広がったきっかけが阪神大震災の犠牲者の鎮魂を祈る「神戸ルミナリエ」だったと記憶する。

今年は東日本大震災の犠牲者も悼み、復興を支援する。「希望の光」というテーマとか。震災にあった仙台市もイルミネーションのイベントをなんとか実施するとか。電気の美しさが心をなごます。生活の豊かさとは何か、生活環境とは何か、もっと掘り下げたエネルギー政策の議論がほしいところだ。

嶺南に限らず、各地で、福島の教訓を生かした原子力発電所の安全対策が進んでいる。運転中はもちろん、建設、計画中の原子力発電所はさらなる安全性が期待できるだけに、あまりも短絡的な昨今の脱原発の風潮が続く環境を憂う。
【2011/12/01】 | ページトップ↑
前ページ | ひとことトップ |