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不明者の問題の奥深さ
Date:2010-08-5(Thr)

35度の暑さが続くが、朝夕に自転車を走らせると秋を感じさせる涼風も流れる。ところで、各地で100歳以上の高齢者の所在確認が取れなくなっている問題で、不明者は計35人となった。今後も増えるだろう。降って沸いたような問題だが、日本人の平均寿命が延びているなかでの悲劇だ。女性が86・44歳、男性は79・59歳。いずれも4年続けて過去最高を更新した。

寿命が延び、100歳以上の長寿者が珍しくなくなった高齢化社会。これとともに家族や住民同士のつながりが希薄になっていることを象徴するような出来事だ。まだ、幸いこの敦賀ではきかないが、いずれとも思える事件でもある。所在確認などの直接的な問題と間接的な課題を内在させている。年金問題に限らず、後期高齢者医療保険、それに介護保険といった社会保障全般にも通じる。

ある不明者で介護施設に入っていた方も含まれるとか。介護保険制度の理念は、家族への負担が大きかった高齢者介護を社会全体で分担しながら支え合う「介護の社会化」である。2000年度にスタートし、3年ごとに制度改正が行われる。私は、今回の事件とも密接に関係しているとも思っている。介護保険は、社会全体で支えあうのはいいが、財源もサービスメニューも課題が多い。

なかでも介護保険にかかる総費用の伸びは著しい。10年度は当初予算ベースで7兆9千億円と制度が始まった2000年度から倍増した。最高23兆円ともいわれる。老後を支える安全網として広く認知され、利用が拡大しているのは評価したい。私たち家族もずいぶんと世話になっている。ただ、今後のことを考えると複雑な思いにかられる。

高齢化が進む中で、団塊世代がこれから対象年齢に加わってくる。不明者増加のように、高齢の単身世帯もどんどんと増えることは確かだ。ここ敦賀も、人口の割には都会並みに世帯数が多いだけに、単身高齢者は、うなぎ上りになる。

必要な費用を誰がどう負担していくか。年金問題以上に、財源問題と高齢者な異常な増加から、私は相当に不安に思っている。国民の不安を払しょくするために正面から議論する必要がある。国民健康保険とも同様、市町レベルでは限界である。

ここまでくれば、保険料や1割の自己負担引き上げ、現行40歳以上の保険料支払い対象年齢の引き下げといった措置がそじょうにあげるしかないのだ。要するに広く薄く負担増を求める対応だ。避けては通れない選択肢だろうが、ただ、低所得者層への配慮は忘れてはならない。これだけで巨額化する費用を賄うには限界がある。やはり公費負担割合の拡大が中心にならざるを得ないのではないか。

参院選の敗北で、菅首相は安定財源となる消費税率の引き上げに腰が引けた発言を繰り返している。私は、年金や医療などの分野と合わせた社会保障の財源対策として、消費税問題の議論を進めるべきと、身近に感じてきた。

現場の介護保険利用者の立場に立つと、介護保険利用を考える在宅介護ではなおさら、きめ細かいサービスの拡充や、使いやすい制度に改革する視点も欠かせない。その中で、安否確認も可能だ。持続的な介護保険と急速な高齢化の議論がまだまだ不十分だ。

さらに、重労働の割に賃金が安いことなどから慢性的な人手不足が続く。敦賀もこの分野の有効求人倍率は高い。介護職員の処遇改善は制度を支える上で不可欠な措置である。いずれにしても、100歳以上の不明者の問題は、安否確認だけでなく、年金、医療にも絡む深刻な問題が内在している。
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【2010/08/05】 | ページトップ↑
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