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「広域連携大学構想」現実を理解しての対応が必要だ。
Date:2008-03-13(Thr)

昨日、敦賀で計画されている連携大学構想の福井新聞の論説で、地元の期待が語られ、検討委員会の構成メンバーが福井大学より公表された。

敦賀市の地元としても、30年前のアトムポリス構想の原子力大学に始まる長年の悲願でもあり、文化の谷間と言われた地域だけに、ようやく具体化の動きとして、私も期待し賛成するひとりだ。河瀬市長を筆頭に、国、県、市、福井大学と、これまでの関係者の努力に敬意を表したい。成功させたいが故にあえて、懸念材料をあげておきたい。

今年の年頭の記者会見で、河瀬市長は、「300人程度の規模が望ましい。海外からの留学生を受け入れ、世界に発信する施設にしたい」(産経新聞より引用)と語るように、敦賀市幹部の想いと現実の大学を取り巻く環境の厳しさのギャップがあまりにも大きいことだ。

市議会の本会議の議論を通じても浮き彫りになったが、市税と市民ニーズとの関係もあり、慎重かつ石橋を渡る謙虚さがほしい。私は、小さくてもいい、きらりと光る敦賀らしい連携大学になってほしいとの想いだ。「にぎわい」ずくりとイメージが先行する市長との違いでもある。

福井大学が公表した検討委員会のメンバー構成、素晴らしい顔ぶれだが、原子力に特化していないか、福井大学を中心とするあまり、各有名大学の協力がどれほど得られるか、などの懸念材料も浮き彫りになる。

文部科学省と経済産業省の原子力の人材育成(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/12/06122615.htm)によると、『近年、原子力分野においては、原子力産業の低迷や職業・研究対象としての魅力が乏しいとのイメージから、進学・就職を希望する学生は減少傾向。

これを背景に、近年の学部及び大学院の改組・大括り化の動きの中で、従来の原子力学科・専攻は、他学科・専攻との統合や名称変更により、エネルギーや環境等より広い分野を扱う学科・専攻の一部へと改組され、例えば学部については、平成7年度の7学科から、平成17年度の1学科に減少。

一方、原子力が教育課程に含まれる学生数で見れば、昭和50年代前半よりほぼ横ばいであるものの、学科・専攻の改組により原子力の専門科目が必修から外れるなど、原子力の体系的な専門教育のレベルは一般に低下。教授人材の関連他分野への流出も進展。』と原子力の現実を謙虚にとらえる必要がある。

数字をみても、全国の大学の学部の卒業生が二百人前後、修士課程も二百人前後でほぼ横ばいで推移し、博士課程も五十人前後で合計五百人もない。ここから各原子力分野への就職先は、50%も満たない現実がある。地球環境問題などから「今こそ、原子力だ」と意気込んでも、原子力に特化するのであれば、数十名が妥当なところだ。

福井新聞論説の「県内には原子力発電所が15基立地。軽水炉は加圧水型と沸騰水型の主力2機種があるほか、原子力研究開発機構の新型転換炉、高速増殖炉と異なるタイプが4種設置されているという他に例のない地域だ。原発の近くに研究・教育機関を設けることは将来の人材育成という観点からも重要。」と、説得力のある論調だ。学生にとって必要なのは、基本となる実験施設であり、研究施設だ。

その意味での若狭湾エネルギー研究施設の価値は大きいが、要である陽子線がん治療施設を福井市に持っていくなど、県のこの施設に関する一貫性がないなど問題も多く、学生が望む実験装置が整うか、県のこれまでにない協力が不可欠だ。

学科も原子力に特化していいのか、理工系離れ、少子化なども配慮しなければならない。敦賀市は、福井、京都、大阪、名古屋の中心として利便性はだれもが認めるところだが、都会志向の学生にとってけっして魅力的なところではない。

さらに、現在計画中のJR敦賀駅西再開発事業は、敦賀市の一等地、敦賀駅の南西に広がる1.7ヘクタールの区画、整備費用40億円とも重なる。また、学校法人からは固定資産税は入らない。土地は貸与したとしても、一般的な区画整理事業の回収は不可能だ。まして建物を敦賀市が提供し、将来の維持管理まで敦賀市が賄う余裕はない。

「にぎわい」とは何か、「活性化」とは何か、市長がイメージすることを私は、まだ理解できていない。連携大学構想、国に協力してきた代償という考えも大事だが、市場性、社会ニーズとも総合的に、将来に何が望まれるか、現実的な実現性のある息の長い対応をのぞみたい。 結論を急ぐあまり、現実を見失わない対応が必要に思う。
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