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転んでも前に転べば前進する・・・・
Dat:2010-11-11(Thr)

敦賀半島の原電道路を発電所に向けて車を走らせると、紅葉が目に一杯に飛び込んでくる。楽しみな季節だ。半島の西方ヶ岳岳(764m)・さざえ岳(686m)、そこそこの高さのためか、紅葉の段差がある。理屈を並べると、紅葉が始まるのは、明け方の最低気温が7度以下になってから。7度以下になると葉緑素が分化を始め、数日後に紅葉が始まる。夏の間、天候に恵まれた年は葉の生育がよく、秋になって気温差の大きい年は鮮やかな赤色の葉ができる、という。

さざえ岳のてっぺんの紅葉は遠目だが、相当に進んでいる。紅葉は、まだまだ理屈ではわからないことが多いらしい。何のために紅葉するのかなど、そのメカニズムも全て解明されているわけではないという。不思議だが、理屈に合わない美しいがいい。

先月末に訪れた黒部、立山も高くなるに従い紅葉も終わっている。夏の暑さの「ため」か、今年の紅葉は、例年と比べ、いまひとつ、期間は短いという予測もある。シャレではないが「ため」に点々をつけると「だめ」と昨日、教わった。

昨日は、昼から自治会館(福井市)で県内市議会、町議会議員の研修会。講演のテーマは議会改革と小布施のまちづくり。いずれも地方議会に求められる課題ばかりだ。ふたつ目のテーマは、北斎が好きで何度か、訪れた小布施の街だけに興味深い講演だった。

講演者は、17年前に来日し、信州小布施を舞台に、国際北斎会議の企画・運営をはじめ、老舗酒蔵枡一市村酒造の活性化、町おこしと精力的に活動を続けているセーラ・マリ・カミングスさん(講演会場で40歳を超えたと語った)。「台風娘」の異名をとる行動力で周囲の人々を巻き込み、失われつつある日本文化の復活に精力的に取り組んでいる。セーラさんは、小布施の酒屋さんの取締役。

田舎の観光地、小布施、普通であれば夕方5時には店は閉まり真っ暗になる。そこで夜10時まで、「蔵部」レストランを開いた。少し高いが、酒造メーカーだけに日本酒は絶品。敦賀から車で約4時間半、翌日の北斎を楽しみに店で一番安い日本酒「スクウエア・ワン」を飲んで眠りにつく。

小布施の町に魅力は、北斎館があることに加え、周囲の山が敦賀と同じように四季折々。秋には、栗、リンゴと観光客を飽きさせない。こじんまりした街で駅からも歩いて15分もかからないところに北斎館があり、最近はスイーツ人気か、栗のケーキ、クレープなど食にも飽きない店がならび、観光客であふれている。車椅子を押しての時間をかけての観光にもぴったり合う。

周りに栗林、リンゴ園があって、観光のためか、農業が地産地消で産業になっている。そうした、小さな地域で、市町村合併もせず、自然のものづくりと観光で成り立っている街でもある。小布施のテーマで「人が環境を作り、環境が人を作る」という言葉がある。講演の映像をみながら、土壁の数百年の味わいや、屋根瓦の上の苔の味わいが浮かんでくる。熟成文化の魅力ともいえるかもしれない。ただ、ここ数年の観光ブームは、静かな小布施を知る私には、変化が速いだけに、「ちょっと」とも思ってしまう。それほどテレビの影響か、ブーム化している。

セーラさんが取締役を務める「枡一市村酒造場」のスローガンで、「産地から王國へ」という言葉がある。昨日も、その「國」の中にある「口」は「酒の杯」とも語った。国をつくる(まちづくり)は、議会の堅苦しい議論ばかりではダメで、酒を酌み交わしての楽しい語らいも大事だと教えてくれた。

小布施で600年以上の背景を持つ栗の文化を大事にしていこうと、小布施のど真ん中に、栗の木のブロックを敷き詰めた「栗の小径」がある。まちの真ん中を通る国道403号線の歩道にも栗のブロックを敷き詰めている。あるいて見ると、硬くてごつごつ、それも段差をつけている。車椅子を押していると、なんでこんな歩道と思っていまう。ところが、逆発想で、地元文化の『栗』を頭にたたき込まれる感覚だ。

先ほどの、夜の居酒屋「蔵部」は、観光客のためだけでなく、地元の人も楽しめる施設が欲しい、ということで夜10時まで営業するレストランをつくったと聞いた。店は丈夫なナラの木を、梁に使ったり、昔の人が使い分けたように、さまざまな特性の木を組み合わせた建築になっている。古い酒蔵と新しい発想があわせ持つ小布施の街は、昨年も聞いた湯布院と並ぶ街づくりの成功例だ。感じる共通点は、昔ながらのその地の文化を大事にし、それを活かし発展させていることだ。それもリーダーに女性が先頭に立っていることだ。

印象に残る言葉で、セーラーさんが語った「転んでも前に転べば前進する」と、失敗を恐れない、含蓄に富む言葉でもある。

また、「本物っぽい、とか本物らしくではだめなんです。本物でなくてはならないのです。」というこだわりもまちづくりに必要とも学んだ。北斎もそうだが、セーラーさんが営む酒屋も本物志向で酒樽にこだわっている。栗も、輸入でない小布施の栗に各店はこだわる。そんな志向が長く続き、リピーターを呼ぶ観光地の秘訣かもしれない。

敦賀にも千年を超える港の歴史と、本物の魚市場、400年歴史を超える酒屋もあるが、いま一つ生かしきっていないもどかしさを感じるのである。昨日感じたのは、一所懸命考えて小布施流ではないが、敦賀ならでは敦賀流の地元の文化を大事にすると民間の熱意がなによりも必要とも感じた。

ところで、秋から冬へと移りゆくこの時期、経験上、自律神経のバランスが崩れて体調を崩し、ゆううつな気分になる人も少なくない。医者曰く、睡眠をしっかりとり、バランスの取れた食生活と体を冷やさないことだと。その上で、移りゆく季節を楽しむゆったりとした気持ちが大切ではなかろうか。紅葉の美しい山に囲まれた敦賀、「紅葉狩り」などもってこい季節だ—。
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