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刀でなく、そろばんで、家族を守った侍
Date:2010-12-21(Tue)

映画の原作、磯田道史さんの『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』(新潮新書)を読んでみると意外に面白い。地味な映画と思うが、意外に人気とか。原作も丹念に調べての本だけに現実味もある。国も地方自治体もわが家も借金体質だけになおさらだ。

主人公は、幕末の加賀藩の「御算用者」(ごさんようもの)、地方自治体の会計管理者にあたる。金沢は私の父の故郷でもあり、先祖は加賀藩だけに興味深く読んだ。主人公の猪山家、8代目・猪山直之のもと、膨大に膨れ上がった猪山家の借金返済に一家を挙げて奔走する姿と彼らの家族模様、そして藩内の政争や幕末維新の動乱に否応なく巻き込まれながらもそれを乗り越えてゆく直之と息子・成之や家族の姿を描いた作品である。

キャッチコピーは「刀でなく、そろばんで、家族を守った侍がいた」。実直な生き方を曲げない「そろばん侍」と評判で、膨らんだ一家の借金返済のため大なたを振るう。「苦労と思わず工夫と思えば」と支える妻ら家族の絆が描かれている。

つつましい暮らしの中にある幸せとそれを守ることの難しさ。映画はまだみていないが、「武士は食わねど高ようじ」を地でいくホームドラマとか、家計のやりくりに苦労している主婦層にも人気があるとか。

試算によると、猪山家の年収は現代の価値に換算して1230万円、借金は2504万円と収入の2倍。親類付き合いなど交際費が家計を圧迫。猪山家は家財道具や刀などを売り払い、身を削って家を守った。

現実の日本、来年度の予算編成が大詰めだ。24日にほぼ明らかになる。菅政権の家計簿では予算規模を92兆円台半ばとはじくが、収入は41兆円台しか見込めず、不足は新たに借金(国債)するしかない。

敦賀市の借金(市債残高)は平成21年度末で537億7千万円。内訳は、一般会計192億2千万円、特別会計 218億7千万円(内、下水道部門が187億7千万円)、病院、上水道の企業会計が126億7千万円。

今年度の一般会計、特別会計、企業会計を合わせて、約485億円。国の予算や各地方の予算と借金と比べればましと言えばましだが、これ以上はすべきではない、といったところだ。

昨日、来年4月に行われる敦賀市長選挙に、市議で前の議長の岡本正治氏が立候補表明。これで、現職の河瀬一治氏、敦賀短大・教授の多仁照廣氏、それに市議の渕上隆信氏の4人が立候補を表明したことになる。各氏の本格的なマニフェストはこれからだが、大きな柱のひとつが、財政の健全化だろう。

本来なら、この時期、国の予算が報道の主役だが、小沢問題に揺れる。「事業仕分け」で無駄を一掃し、財源を生み出すと大見えを切った民主党政権だが成果は見えない。新幹線予算もほぼ絶望的。いずれにしても、今の時代にこそ、実直な直之のような人材が必要なことは確かだ。
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