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「夷子大黒綱引」の笑み、大地震後の温もり、阿久根市の疲弊・・・・。
Date:2011-01-17(Mon)

豊漁と豊作を占う伝統行事、「夷子大黒綱引」が昨日、寒い雪の中で行われた。夷と大黒の笑顔がいい。ほのぼのとした行事、賑わいは、あったかみがあり、寒さを忘れさせてくれる。

今日で16年目の真冬。阪神淡路の大地震での停電。暖房はなし。私は、16年前の21日、三ノ宮の公園のテントで夜を過ごした。寒かった。風呂にも漬かれない。避難先の校舎や公園のテントは底冷えし、すきま風が吹き込んでくる。マフラをぐるぐる巻きにして眠りにつく。寒さですぐに目が覚める。何日も続けばストレスも疲れも倍加する。

まずは、「ぬくもり」だ。生活の知恵は随所に働く。被災者が目を付けたのはペットボトルの山。熱に強いものなら湯たんぽになる。タオルに包み寝袋の中に入れる。その温かみは朝まで持つ。夜、ほおずりするお年寄りの姿を思い出す。避難所で越冬を余儀なくされた新潟県中越地震の被災地でも重宝したと聞く。

この冬一番の寒波が列島を震え上がらせている。こんなとき、頼りになるのが湯たんぽだ。コードがなく、おなかや足元など思う所に動かせる。省エネのグッズの最右翼。売れ行きはここ数年うなぎ上りという。

神戸では、当時、早朝、寝袋から一晩なじんだペットボトルを取り出そうとするが、これが妙に温かい。40度はないが、体温とほぼ同じ程度の余熱が残るペットボトルが離せない。ぬくもりが残るお湯は、顔を洗える、ほどよいエコなお湯に変身。外の寒さが厳しいので、一層、温かく感じるから不思議だ。ひげそりにもぴったりの湯温だ。

16年前、1月末から4月までボランティアで何度か、神戸の東灘区を訪れた。ペットボトルの湯たんぽの暖かみもさることながら、相手の名前さえわからない人間が寄り添って暖をとる。ワンカップ、ホットウイスキーで、寒い屋外でも話が弾んだ。阪神・淡路の大地震が教えてくれた温もりの光景だ。

ところで、昨日の鹿児島県阿久根市の出直し市長選で、独断専行と批判された竹原信一前市長が落選した。阿久根市民の良識が実ったと評価したい。しかし、票差は8千と7千で千票もない。今回も3選を目指す竹原氏を熱心に支持する住民も多かった。阿久根市民を批判する以前にこの国の置かれた現状を私は憂う。

阿久根市の現状が、竹原前市長に票を投じたと受け止めてもいいのではないか。鹿児島県の中でも地方都市の疲弊を象徴するかのように、特急の止まらなくなった駅前の商店街は下りたシャッタ街。市の経済を支えた水産業や観光も衰退した。

「市民の平均年収は200万円。その3倍以上ももらっている市職員や議員は自分のことしか考えていない」といった竹原氏の訴えは、方法はどうであれ、出口の見えない生活苦にあえぐ市民には改革への強い意思と映ったのではないか。寒さが一層身にしみる地方都市の疲弊が竹原前市長にいまでも夢を託そうとする市民の投じた7千票ではないか。

敦賀市は、阿久根市と比較しても、雇用状況、平均年収どれも上回る。地方の格差も大きくなってきた。昨日でもないが、「夷子大黒綱引」行事など、人々のぬくもりを大事にしたい。いま、どこであれ、地方はその人間関係と温もりを失いつつあるからだ。
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