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歴史上大惨事。原子力発電所の事故対応も・・。
Date:2011-03-13(Sun)

これは悪夢でも映画でもない。言葉を失う。テレビが映し出すヘリコプターからの映像は、戦慄すべき現実だ。一体どれほどの団らんの場が消え、積み上げてきた財産が奪われたのか。何より、そこにいたはずの人たちはどうなったのか。岩手、宮城、福島など東北各県の太平洋岸の街だ。

地震の数分から数十分後に大津波に襲われ、住宅など建物のほか自動車、船舶までが内陸に押し上げられた。火災も発生し、宮城県気仙沼市は、中心部がほぼ全滅した。南三陸町では約1万人が行方不明になっている。これは阪神淡路大地震をはるかに超える大参事だ。釜石港の津波の直前の午後3時の映像は、その凄さをビデオが映し出している。死者・行方不明者数も増え続けている。なお大勢の人が学校施設やビルの屋上、あるいはがれきの下などで救助を待っている。

日本の歴史上、戦争をのぞいての最大の大参事といっても過言ではないか。それほどの地震、津波だ。文明が発展し、人口が増え、石油コンビナートができた。高度成長の日本の歩みだ。その港も堤防もある程度は、考えているがそれを越えた。しばらく企業も自治体も国もあらゆる努力をするしかない。ブログに何をかこうか、言葉がでない。専門分野の原子力発電所の事故について書く。

原子力発電所の事故も検証を待たなければならないが、私が想像する限り、はるかに越えた事故であることは確かだ。また、情報伝達も迅速かつ正確に行うことが大事だ。

東京電力福島第一原子力発電所1号機の事故、トラブルは、爆発で煙がたち、原子炉建屋の外壁が崩れる光景は、想像を越えるものだ。それが現実となっている。福島の発電所には仕事柄、5回以上、訪れている。それだけに身につまされる。また、昨日の報道の在り方も今後の課題となった。

私も原子力発電所で仕事し、人生の大半を携わったものとして、想像を越えた衝撃的な映像だ。25年も前か、原子炉主任技術者の口頭試験を受けた時、試験官が「バックアップ電源もなく、非常用発電機が動かないときの原子炉の安全確保の手段は?」といきなり聞かれ、「そんなことは起こり得ないのでは」と思わず回答したほどだ。一生、経験できない事故だと思っていたものが現実のものとなった。

原子力発電所は、安全確保で5重の構造となっている。ペレットという燃料、燃料棒自体が大半の核分裂生成物質を閉じ込める構造となっている。燃料棒さえ健全であれば外に漏れ出ることがない。それが一部溶融した。そうなると、設備としては、安全確保のため、三重の構造をしている。最も内側は原子炉で、それを原子炉格納容器が覆い、外側に原子炉建屋がある。

爆発したのは最も外側の原子炉建屋部分だ。格納容器から漏れた酸素と水素が結びつく爆発だとか。原子炉も格納容器は健在で機能も維持できているという。ただ、1号機では地震直後から冷却機能が作動していない。冷却水も減り、核燃料が水上に露出して熱で溶融した。よう素、セシウムが検出した以上炉心溶融は一部進んでいることは確かだ。

炉心溶融は、国内の原子力発電所でははじめての事故だ。深刻なトラブルと言わざるを得ない。かつて、世界で二例、炉心溶融の事故が発生している。そのスリーマイル島の事故、チェルノブイリの現場を視察したが、今回の事故はまた違ったものだ。

原子炉建屋の爆発という異常事態に、核分裂を停止するホウ素を含んだ海水を炉内に注入し、完全に冷却することを決断し、作業が進んでいる。塩分などを含む海水は、将来の運転保障が難しい。場合によっては使用不能ともなる。それだけの決断を東電はした。

海水注入は、非常用電源がない以上、現段階では最善の措置だろう。まずは安全第一だ。確かに報道は正確にかつ迅速が大原則だ。これ以上、事故を拡大しないためには、報道各社の東電批判も必要かもしれないが、これからも正念場が続くので、冷静に見守るべきだ。安全を確保できるのは、当事者のよるところが大半だからだ。

1979年の米スリーマイル島の事故は、炉心溶融だったが、放射能による外部への影響はほとんどなかった。それは原子炉建屋、原子炉格納容器が健全だったからにほかならない。その一画が崩れた。まさに異例な事態だ。
東京電力では、電力供給で都内の停電もありうるとの見解を示した。福島県は福井県に続いての第二位の電力供給県だ。そのすべてが停止中だ。原子力発電所は、日本の電気の三分の一を担う基幹電源だ。それだけに、電力各社、原子力機構も安全への説明を怠ってはならないことは確かだ。

まだまだ余震が続いている。津波もあるとか。敦賀も水戸などへ援助物資を送った。消防も救助・救援活動を開始した。今後は、どんな支援ができるか、わからないが、敦賀市も市民も戦後最大級の非常時に、災害対策に注力する必要がある。
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