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思い付きと人気取りのために下した決定だとすれば、問題は深刻である。場合によっては国を誤ることにもつながるからである。
Date:2011-06-24(Fri)

昨夜は、福井市で北條の本家と会食をとった。金沢のお寺の住職がお亡くなり、大安寺の住職に依頼するためだ。親父の話に花が咲いた。どこにいても血筋はうちとける。

今日、書こうと思ったのは、政治の判断がどれほど影響するか、逆に迷惑するか、敦賀にとって、浜岡の停止要請がどれほど影響したかを探ってみたい。

菅直人首相が東海地震の想定震源域である静岡県の浜岡原子力発電所について、すべての原子炉を停止するよう中部電力に要請したことが、大きな政治問題となった。

この停止要請を各紙の論調から読み取ると、浜岡以外に原発停止を求めない理由について、仙谷官房副長官は「現時点で30年以内に震度6以上の地震が起こる確率は1%以下のところがほとんどだ。特に、日本海側、瀬戸内にある原発は心配ない。科学的にも立証できることだ。だから今後も政府のエネルギー戦略や政策は堅持する」と強調した。

今回のやや唐突とも取れる菅首相の浜岡原発全面停止要請については、マスコミ各社とも意見がさまざまに分かれた。

朝日新聞は、首相の停止要請の判断は妥当だ。東京電力の福島第一原発が想定外の惨事を引き起こした以上、浜岡での同様の現象を想定するのは当然の責務である。

読売新聞は、浜岡原発は、30年以内に確実に87%の確率で発生するとされる「東海地震」の想定震源域のほぼ中央に位置する。首相の要請はこの「特別な状況」を勘案した結果である。福島第一原発が想定外の大津波に襲われ、大事故を起こしたことを踏まえればやむを得ない。

毎日新聞は、浜岡原発は近い将来、必ず起こると考えられる東海地震の想定震源域の真上に建つ。これは建設当時には知られていなかったことで、知っていたら避けたはずの場所である。・・・・菅首相が中長期の対策が終わるまで停止するように要請したのは評価すべきだ。しかし、浜岡さえ止めておけばOKというわけではない。浜岡以外の原発についても決して油断してはならないのである・・・。

各紙の中で一番、毎日新聞が首相の要請を高く評価している。

産経新聞は、多くの新聞が菅首相の浜岡原発停止要請を良しとしたのに対して、産経だけは「唐突な判断だ」として否定的な見解を打ち出した。その論拠は次のようになっている。

浜岡原発は東海地震の想定震源域に立地している。首相は、マグニチュード(M)8前後の東海地震が30年以内に発生する確率が87%であることを理由に挙げた上で、「事故が起これば、日本社会に甚大な影響を及ぼす」と説明した。しかし、このことは前から指摘されていたことで、いま新たに差し迫って危険が生じたわけではない。そうした状況のなかで、国と電力会社と住民はこれらを十分に理解した上で安全な運転について合意してきた。

今回の停止要請はあまりにも唐突で、これまでの合意形成の経緯を一切否定しかねない。原発を止めれば当然電力の供給が減少する。その対策についても説明が不十分であるだけに、国民は国のエネルギー対策への不信の念を募らせることになるだろう。手続きを欠いた首相の要請はパフォーマンスに利用した思いすらする。・・と論説している。

私は、浜岡原子力発電所には2度ほど訪れているが、中部電力が手塩にかけて、静岡県御前崎市で昭和51年から運転を開始した。沸騰水型としては原電、東電に続くだけに、それらの経験が生かされた発電所となった。

その後、1、2号機は平成21年にはやばやと営業運転を終了し、廃炉の手続きに入っている。まさに大英断だ。現在運転中の3、4号機も同じ沸騰水型軽水炉、17年に運転を始めた5号機は改良型沸騰水軽水炉(ABWR)である。

浜岡発電所の全面停止を要請された中部電力は今年度のピーク時に電力を賄う余裕を失う綱渡りの供給態勢を強いられるうえ、燃料などのコスト高で、業績の大幅の落ち込みが避けられなくなってきた。今夏のピーク電力2560キロ?に対し、供給力の余裕はわずか77キロ?。もし昨年のような猛暑が続けば、たちまち電力不足に陥ることは確実だという。愛知県の経済への影響は深刻だ。

不足分のほとんどは火力発電に頼るほかないが、その火力も定期検査を受ける設備があり、数カ月間の稼働停止が余儀なくされる。実に危ない綱渡りなのである。赤字転落も現実のものになりそうだ。もし菅首相が綿密な調査とあらゆる面での検討を待たず、思い付きと人気取りのために下した決定だとすれば、問題は深刻である。場合によっては国を誤ることにもつながるからである。

同様のことは自民党、公明党など野党のリーダーにも当てはまる。原発問題を決して政争の具に供してはならない。政権維持と退陣を明らかにしない菅政権の妥当な判断だったか、もう少し、時間をかけた検証が必要と思うが、福井県を含む全国の知事の反応は、浜岡の停止要請と、各地の原子力発電所が安全とする経産省のあまりにも矛盾することに起因していると私は感じている。

昨夜、もんじゅの引き抜き作業が始まった。原子力発電は常に石橋をたたいて渡る慎重さが要求されるだけに、根拠の不明確な政治判断は後まで尾を引く・・・・・。
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