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長期展望にたった雇用問題
Date:2011-07-22(Fri)

敦賀のハローワークの有効求人倍率が全国的にも高い。しかし、私は、けっして安定的な仕事環境があるとは思っていない。量的な問題よりも質の問題とも言える。ハローワーク敦賀に行けば、よく理解できる。

特に中高年、50代の就職は厳しい。また、気になるなるのが30代。卒業後、これと言って就職先が見つからず、敦賀に帰って来たものや途中、なんらかの理由で敦賀に帰って来たものなど、この世代のアルバイト職員が意外と多い。原子力発電所や舞鶴若狭自動車道、各建設現場、さらには、介護職員など、臨時職のアルバイトは多いのが特徴でもある。

大学卒業後、いくつかのアルバイトを重ね、今日にいたり、結婚を考え正社員の就職を求めても、既卒者対象の正社員求人は実務経験や資格所持が条件となっているケースが多い。ところが、その正職員の求人自体が少ないのが現状だ。

市役所も3分の一が臨時職員となり、正職員には、当然、筆記試験の登竜門がある。これが難しい。

バブル経済崩壊後、企業が進めた非正規雇用拡大や正社員採用抑制が、30代の世代を直撃。2000年代の景気回復の恩恵もあまり受けず、非正規の割合が10%台半ばに高止まりしたまま30歳代に達したとも聞く。全国的にも同じ傾向だが、地方都市の敦賀ではなおさらだ。

70年代前半や80年代前半生まれの前後の世代に比べ、非正規雇用が固定化しているとも言われる。

嶺北なら福井市の県都がある関係上、職業訓練など、対応もとれるが、嶺南地域、敦賀では、生活に追われ、職業訓練を受けながら、就職先を見つけるのが難しいのが現状のようだ。

全国的にも、対策としての訓練履歴などを記したジョブカード制度の活用を挙げているものの、制度は、昨年の事業仕分けで「効果が薄い」としていったん廃止が決まったが、連合の反対で継続となるなど、政府の対応にも、ちぐはぐさが目立ち、地方都市ではなおさらと言ったところではないか。

不安定や低賃金は少子化にも大きな影響を与えている。敦賀市の人口動態のグラフをみると一目瞭然だ。団塊の世代、団塊ジュニア世代と塊があるものの、団塊ジュニア世代の子供世代の膨らみがない。末広がりならぬ末縮み状態が続いている。

さらに、有効求人倍率の高さに象徴される量的な仕事量の良さも、今回の福島の原子力発電所の事故の影響は、まだ敦賀市には波及しているとは言えないものの、いずれ、質的な問題に加え、量的な面で、景気とは違った悪循環が生じる可能性もある。政策的な長期展望も重要と思っている。

公共事業でも、安全安心の観点で、市役所の耐震化補強や見直し検証を進めての駅西整備も含め、長期展望を持ったインフラ整備など、土木建築業が多い敦賀市であり以上、考えておかなければならないのではないか。さらには、福祉部門の人材育成も含めた長期展望も大事になる。

いずれにしても、雇用問題は、産業団地といった短絡的な面だけに限らず、原子力政策の影響など、長期的な展望をもった意識が雇用問題には必要だ。
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