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「コクリコ坂から」と団塊の世代
Date:2011-06-06(Sat)

宮崎駿の映画の世界は、大人でも十分楽しめる。「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」、「紅の豚」、「魔女の宅急便」、「風の谷のナウシカ(トップクラフト制作)」、「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」と…。どれも似ているようで似ていない。

「魔女の宅急便」の街並み、坂道、海と山、私が住んだ高松、神戸、敦賀、どれにも共通する風景だ。

ところで、現在、平和堂で上映されている「コクリコ坂から」。調べてみると「コクリコ」とはフランス語で「ひなげし」のこと。

舞台は1963年、東京オリンピックの前年、私が11歳のとき、横浜の港の見える高台。庭にたくさんのコクリコ(ひなげし)が咲く下宿屋「コクリコ荘」に通じる坂道がコクリコ坂では、ないか。宮崎駿さんは何十年もの間、映画化のアイディアを温めていたらしい。宮崎さんらしい取り組みだ。

世代から、私より6歳ほど歳上の団塊の世代を描いた映画だ。東京オリンピック前年の高度成長の槌音が鳴り響き日本がまさに上り坂、元気があふれ、子供が町中にいた時代だ。

主人公の松崎海は高校二年生。まさに団塊の世代である。仕事で海外に行っている母親の留守を守って“海”は弟妹や祖母の面倒をみながら、なおかつ下宿屋“コクリコ荘”も取り仕切っている。

早起きをして朝食の支度を黙々、淡々、かつリズミカルにこなす。そして海をゆく船舶に向かってその安全な航海を祈って国際信号旗を掲げることを毎朝の日課としている。船乗りだった父親は、朝鮮戦争で命を落とし、主人公は、船乗りであった父をしのんで、船にあげる国際信号旗あげる。

国際信号旗はほとんど覚えていないが、懐かしい思い出だ。思春期の純愛ドラマ的な映画だが、街並みや家具、台所など、当時の生活がスケッチのように描かれている。なによりもいいのは港の風景だ。タグボートなど、当時の船を詳細に描いている。この描写は私はこたえられない。

最近、昭和30年代のドラマや本、映画、街並みを再現した横浜のラーメン舘など、リバイバル化している。団塊の世代が懐かしむのわからないでもないが、私には、あの頃の家族のあり方、元気など、いま大事なものが失われいるからこそ、再現しようとの力学が働いているようにも思う。難しく考えずに、素直に映画を楽しんだ。
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