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もんじゅの存在意義、存在価値
Date:2011-08-10(Wed)

昨夜、敦賀市立博物館のボランティアガイドの研修会。敦賀の戦前の繁栄を表す写真、大和田銀行、旧敦賀市役所、税関、ロシア領事館、蓬莱岸壁など、一枚一枚の説明を受けた。写真は、正確にはその時代をいまに伝え、どれも敦賀の発展を見守った建物ばかりだ。

星条旗がたつ大和田銀行・・・・

なかでも圧巻は、星条旗の立った大和田銀行だ。爆撃を逃れるために、黒く塗られた外壁、焼け野原のなかで星条旗が立っているとはいえ、満身創痍のなかで力強く敦賀を復興しようとする姿、象徴にも思えた。貴重な一枚だ。

ところで、50年後、100年後、高速増殖炉もんじゅの写真はどのように見られるであろうか。現在、私には原子力発電所と歩んだ敦賀市の象徴とも思え、まさにこれからの日本の将来のために、仕事をする直前の姿でもある。

敦賀市にとって高速増殖炉もんじゅがどんな存在か、日本にとってどんな存在か、正念場というべき時期を迎えている。福島の事故の大きさとその収束と今後は日本にとって、大命題だが、だからと言って、もんじゅの将来を安易に考えるべきではないと思っている。

無責任な菅首相の発言・・・・

一昨日の菅首相が衆院予算委員会での「もんじゅの廃炉を含めて検討する」との答弁。私は、いつか言い出すと思っていた。福島の事故以来、「脱原発」発言を繰り返している。先日も広島でここぞとばかりに演説している。個人的考えどころか、総理の権限、発言は、フルに活用している。政治家の信念さえ感じさせる発言を繰り返している。

世論調査でも「脱原発」路線は、菅首相の主張で唯一、半数以上が評価している。これも首相の発言を後押ししていることも確かだ。

原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理を含め、日本がエネルギー政策の柱と位置づけてきた「核燃料サイクル」路線も、根本から見直すと何度も語る。

退陣を表明した首相が、場当たり的に「脱原発」発言を繰り返し、存在感を固持しているかのようにもうつる。このことが、どんなことになるか、冷静に考え議論する時間が必要だと思っている。この「脱原発」発言が、将来の敦賀を左右するからでもある。

冷静に考えなければいけない原子力政策・・・・・

日本のエネルギー政策の根幹は、資源小国のなかでいかに日本人が生きて行こうとするか、長年、積み上げてきた政策でもある。核燃料サイクルは、ウラン資源の有効活用し、長期的に「準国産エネルギー源」を得るというものだったはずだ。

青森県六ヶ所村では、日本原燃の再処理工場が建設中だ。もんじゅは、2050年の実用化をにらんだエネルギー戦略の国家百年の大計の要でもある。

再生可能エネルギーが、代替として考えられているようだが、質、量、力どれをとっても、補助的に考えるのはいいが、主力にはなり得ないのは明白だ。火力で賄おうとすると、これもオイルショックや地球環境問題を冷静に考えても時代に逆行していることも確かだ。

さらに、政策転換で、これらの施設が凍結・廃止になれば、六ヶ所村の工場では、運び込まれた使用済み核燃料約3000トンの処理が宙に浮く。全国の原発に保管中の使用済み核燃料も行き場がなくなる。

冷静に世界をみつめても、近隣の韓国は再処理をはじめ、中国は先月から高速増殖炉の発電運転を開始し、原子力発電所147基建設の計画の道を突き進んでいる。

原子力の平和利用の重み・・・・

日本は、平和利用を前提に、核兵器材料にもなるプルトニウムの活用を国際的に認められ、高水準の原子力技術を保持し、ベトナムに技術輸出を勝ち取ったばかりだ。福島の事故の大きさと怖さは、あまりにも大きい。

しかし、まだ収束に至っていない。その全容はまだこれからだ。感覚的、感情的に走るのは理解でき、また進みやすい国民性はいたしかないとしても、これまで、半世紀、積み上げてきた原子力政策、平和利用の取り組み、道のりは、一部の日本人のためではなかったはずだ。冷静に時間をかけて議論する時間が必要だ。

もんじゅの敦賀市での存在・・・・

敦賀市にとっても、議論を積み重ね、国策として受入、建設と試運転とトラブルを続けながらも、ようやくここまで漕ぎ付けた。建設は敦賀にとって活気を与え、その後、交付金などにより、果実が市民温泉リラ・ポートなど施設となり、雇用を生み、市民の生活を支えている。

あらたに、もんじゅを研究の要として、福井大学附属国際原子力工学研究所として、駅前に姿を表し始めた。これも、もんじゅがあって存在だ。もんじゅを中心に学究の場として歩み始めたばかりでもある。

とにもかくにも冷静に時間をかけて、もんじゅの存在意義、存在価値を議論することが大事だ。あまりにも短絡的に考えることはやめよう。
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