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事業の進歩発展に最も害するものは、青年の過失ではなくして、老人の跋扈(ばっこ)である。(伊庭貞剛)
Date:2011-08-28(Sun)

菅首相の内閣不信任騒ぎから、退陣表明、民主党の代表選…と、熱が冷め、冷ややかな見方が多い。民主党の期待が大きかっただけに失望と限界の声を多く聞く。またぞろ、親小沢、反小沢との派閥争い、コップの中の争いという言葉も巷には多い。それだけに短いといえ、徹底的な政策論争と民主党の再生に…。


一連の流れ、5人の首相交代と、自民党、民主党の政治力もあろうが、むしろ透けて見える日本の凋落にこそ、問題の本質が潜んでいるとも思ってしまう。

民主党の歴史的な政権交代から2年。政権交代で選挙選を闘い、感動もしたが、あっという間に2人の首相が行き詰まり、去っていく。民主党の政治力の弱さが露呈したともいえる。新たな代表選で、この反省と危機感、国をどうしたいか、昨日の記者会見で、政策面での争いが、感じられないのは、私だけではなかったはずだ。

そうはいっても、菅首相は、消費増税を含む税と社会保障の一体改革という重要な政策に真正面から取り組んだ。国民健康保険制度など社会保障は、地方がもっとも直面する課題、ゆえに期待もした。

けれど、政治は合意を取りつけなければ前に進まない。閣内の根回しさえ怠った。方針を唱えるだけでは、思いつきの政治だと批判されても当然だった。

その代表格が敦賀市にとって、最大の関心事である原子力政策だ。福島の事故から、事故収束が第一優先のはずが、エネルギー政策の見直し、浜岡停止、脱原発と大きく舵をきって行った。

世論も福島の動向に合わせ、脱原発的な雰囲気をよしとする方向に流れている。福島の事故の怖さもさることながら、傾きやすい世論誘導の怖さも感じている。

50年以上積み上げた原子力政策を根底からくつがえす流れができつつあるともいえる。核燃料のリサイクルなどまだ道半ばでの出来事だ。

エネルギー政策は、とくに原子力政策は、国の発展、国民生活まで、影響する重要政策だ。あまりにも唐突過ぎる支持や思いつきが現場を混乱させ、立地自治体の不信感となった。

首をかしげざるを得ないほど、菅首相の政権への期待と失望は、今日の民主党への失望とも重なっている。

菅首相政権も30日に終わる。冷めた見方が多いが、もしさっさと辞めていたら、という問いも頭から離れない。後継首相の下で状況はどれほど好転しただろうか。

脱原発のムードの高まり、立地自治体の混乱など、ひとつの大きな流れと敦賀市が今後、原子力発電所と歩む時間と苦労の大きさは、並大抵の試練ではすまないと受け止めている。

高速増殖炉もんじゅ、敦賀1,2号の運転再開、敦賀3,4号の建設のゆくえなど、敦賀市民の雇用、生活に直結するだけに、安全、安心を最優先に、どう切り開くか、首相が変わっただけではすまないと大きなツケを菅首相は残して行ったような気がする。

余談だが、明治の事業家、住友の父とも言われ、四国では、別子銅山の中興の祖、伊庭貞剛は「事業の進歩発展に最も害するものは、青年の過失ではなくして、老人の跋扈(ばっこ)である」と引退。今の日本の政治でも言える言葉ではないか。また「もしその事業が本当に日本の為になるもので、しかも住友のみの資本では到底成し遂げられない大事業であれば、住友はちっぽけな自尊心に囚われないで何時でも進んで住友自体を放下し、日本中の大資本家と合同し、敢然之を造上げようという雄渾なる大気魄を絶えず確りと蓄えて居ねばならない」という言葉も残している。

8月の戦争に関するNHK番組で太平洋戦争に至った経緯、分析力の無さ、決定の先送りによる行き場がどうなるのか、今日の政治や政治家にもいえるかも知れない。私もしっかりと受け止めたい。
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