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国の原子力行政が与えた影響
Date:2011-12-08(Thr)

スマホ(スマートフォン)という言葉が一般化してきた。私の持つ従来型携帯は、ガラパゴス携帯と呼ぶそうだ。流行にそってスマホに変えたいが、老眼のためその不便さを思うと手が出せない。

ところで、略語は日常にあふれている。パソコン(パーソナルコンピューター)、ガクワリ(学生割引)、シューカツ(就職活動)も日常化した。ITはいいが、KY(空気が読めない)まで、JK(女子高生)となるとまるで記号だ。

原子力の現場も略語が多い。代表がP(PWR)とB(BWR)だろう。書きながら、本題の組立中、運転中のPWRの美浜2号機のトラブルで、原子炉を手動停止した。停止したまま18日からは定期検査に入るとか。これで、関電の原発11基のうち9基が停止、稼働しているのは大飯2号機、高浜3号機の2基だけとなった。

厳しい需給を考慮し、美浜2号機の運転を法定期限ぎりぎりまで延長、核燃料の劣化に伴い出力100%未満で動かす「コーストダウン運転」を行っていた。これを実施しなければ供給余力がなくなるからだ。その後の稼動はめどがたたないのもその理由のひとつだ。

関西電力の大飯3、4号などストレステスト(耐性評価)の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に相次ぎ提出し始めた。定期検査を終えた原発の再稼働を目指す手続きだ。しかし、その安全評価を審査する方法さえ決まっていない。展望のない、場当たり政策を繰り返してきた菅政権からのツケが日本列島を凍えさせる。

福井新聞のよると、県議会で、定期検査による原発の運転停止が嶺南の企業に与える影響について、原発関連企業と取引のある事業所を対象に聞き取り調査をした結果、約9割が「影響がある」と回答。売り上げは約96%が減少したと答え、建設業や卸・小売業、宿泊・飲食業など幅広い業種に停止の長期化の影響は広がっている。

長期化も予想され、敦賀2号機が12月、敦賀1号機が来年2月で定期検査が終了すると、市内のホテル、民宿、飲食店と実感としてあらわれるのではないか。

全国の商業用原発54基のうち現在動いているのは8基となった。県内では2月、定期検査に入り、ストレステストが放置されれば、来年5月には全国の原発は全て停止する事態に陥る。

もともと、保安院の議会の説明で経産省は事故を受け、緊急安全対策が整えば、今夏の前に再稼働を認める方針だった。浜岡の停止要請と同時に、菅直人前首相が突然、その方針を覆し、欧州で導入されたストレステストを参考に、安全評価を実施するよう求めた。

わかりやすく言えば、安全上重要な施設や機器が想定を超える地震や津波に対し、どれだけの信頼性があるか、コンピュータで評価するもの。まだその基準も示されてもいない。その後、保安院の説明もない。現段階では、西川知事の議会答弁はまともな発言とも私は思う。

定期検査が終了する敦賀2号機も提出を用意している。今後は美浜3、大飯1、高浜1号機でも準備を進めている。西川知事は「あくまで机上の調査」と厳しい姿勢を変えないものの暫定基準という言葉も出された。

昨日の福井新聞の地元経済にも影響をあたえ始めた。このまま停止を続ければ、電力需要だけでなく、経済や生活にも影響を与えることは必定だ。

安全対策は当然、最優先だが、国の政治上の判断が大きく影響し、混乱ともなっている。もっと言えば、原子力発電への信頼性にも影響している。

保安院は大震災で中断していた国の新耐震指針に基づく評価作業(バックチェック)を再開するという。福島の事故の知見は、まだこれからだ。基準の大幅な見直しとなればストレステストをやり直す必要性が出てくる可能性がある。暫定的な基準の提示を早急に示すべきでもある。

長くなる。この問題は整理してもう一度、提起したい。

話を冒頭に戻すと、略語大賞というものがあるならば、ことしは何と言っても、ボラセン(ボランティアセンター)だ。陸前高田市へのボランティアで日常茶飯事のように聞いた。

被災地に幾つも設けられ、いまも支援に訪れる人たちを支える場になっている。ボラセンにはひとの心が通うが、今の国の原子力行政は、福島の事故収束も大事だが、全国の原子力発電に対する対応はまったくなっていない。
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