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中池見湿地ラムサール登録の意義と覚悟
Date:2012-05-11(Fri)

連休から個々人にすれば想定外の高速道路のバス事故や自然の脅威が続いた。地上では竜巻が関東地方を襲って大きな被害をもたらし、山上の北アルプスでは登山者の遭難事故が相次いだ。私の場合は、退院予定の7日がとっくに過ぎ、場合によっては、再手術の話も医師から伝えられるようになった。

個々人にすれば、想定内、想定外の事前予想は難しい。北アルプスの白馬岳で死亡した6人は60代から70代の高年グループだったが、登山経験もあり海外の山に登るベテランもいた。いずれもTシャツや雨具だけの軽装で十分な防寒着は持っていなかった、と当初、テレビで報じられたがそうではなかった。

現場に残されていたリュックの中には冬山並のダウンジャケットなど入っていおり、登山計画書も避難場所、避難経路まで書き込んだ相当な経験者と思わせる入念さだったとか。

大変恐縮だが、竜巻やバス事故の中で今回の登山事故は、意外に取り扱いが小さかった。相応の準備と装備がされていたとすれば、何があったのだろうか。中高年の登山事故が増える中で、亡くなわれた方には申し訳ないが、まさしく想定外の出来事だっただろう、遭難原因を解明してほしい。

ところで、 環境省は昨日、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約の新たな登録候補地として、敦賀市樫曲の中池見湿地など全国の9カ所を指定する方針を決めた。関係者のこれまでの労苦に敬意を表したい。

敦賀市にとって、これほど、劇的に変わったエリアもないのではないか。 1992年、大阪ガスがLNG基地を建設する計画が浮上。市民団体による反対運動、エネルギー事情から2002年に計画中止。05年に市に土地と保全資金4億2千万円が寄付された。建設計画が公表されてからすると、大阪ガスにとっても市民団体にとっても想定外の急展開ではなかったか。

LNG船の10万トン級が入る予定の敦賀港の価値とエネルギー基地としての価値が大きく頓挫することとなった。反面、稀少価値である泥炭湿疹とトンボなどの貴重な動植物の宝庫が守られた。

江戸時代から人が手を入れながら守られ育てられた湿地、今後も人の手を入れながらの保全活動が必要だ。ルーマニアでのラムサール登録はほぼ確実だけに、世界の中池見、日本の中池見となる。そうは言っても保全費用は、国も県も潤沢に出すとは考えにくい。逆にラムサール登録になることは、保全活動を継続する敦賀市、敦賀市民の力量が問われることにもなる。

敦賀市にとって、久々の朗報だが、どう未来に向けて保全活動を継続させるか。他人事ではない。それだけの自然の価値、教育的価値さらには観光資源でもあるからだ。

ラムサール登録までは関係者の労苦の賜物だが、保全活動も含め人材育成、さらには大阪ガスの寄付金が底をつく頃が、本当の正念場となる。これこそ、想定外ではない現実の問題が横たわっている。

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