FC2ブログ
原発ゼロ政策が本当に可能か、立地地域がどうなるのか…。
Date:2012-09-04(Tue)

政府は策定中のエネルギー・環境戦略に原発ゼロ目標を明記する方向で検討しているとの報道。結論から言って、政府は2030年に向けたエネルギー・環境戦略を決めるにあたり、原子力発電の全廃こと、原発ゼロを明記すべきではない。

政府は、2030年の総発電量に占める原発比率をゼロにすると、電気代を含む家庭の光熱費が月額で最大3万2243円となり、10年実績(1万6900円)の約2倍に上昇すると試算をまとめたが、原発ゼロと電気料金2倍が、本当に可能だろうか。

家計は電気料金があがっても節約で支払いを減らし、賄えるかもしれない。しかし製造業、とりわけ円高などでぎりぎりの経営を強いられてきた中小・零細の工場にとりエネルギーコストの上昇は死活問題とも聞いている。日本の産業を支えている中小企業がなくなれば、生活そのものもおかしくなる。

また、敦賀市のような原子力発電立地地域が今後、どうなるのか、真剣に考えていないことも確かだ。

福井県の嶺北の県議でさえ、「交付金を使って新しい産業を考えたらどうか」と質問をおおい町長に投げ、町長からは「そんなことは考えられない」と答えが帰り「がっかりした」と、報告していたが、嶺南の産業構造 や立地の歴史を理解していないに等しい。

細野豪志大臣が、先日の講演で「原子力の人材育成が大事である」と述べたが、原発ゼロ方針で若い人材が育つだろうか。また、昨日もある敦賀市民から「原子力政策と立地地域をここまで、痛めつけるのは民主党政権であり、菅前首相の責任は重いと思うが、どう考えるか」と質問を受けた。率直な意見であることは確かだ。

一方、福島の事故の大きさによる被災者の苦労と事故対策ははかりしれない。原子力利用は安全確保が大前提だ。原子力規制委員会の発足と人選はそのためであり、原子力も今後とも利用していこうとのとの考えと、私は受け止めている。

敦賀市に設置した福井大学原子力工学研究所の危機管理を設けたのその一環だ。

政府や国会の福島事故調査委員会も、安全神話と決別し「事故は起きうる」との認識にたち規制を厳正にするよう求めた。政府、自治体、電力会社は原発に多重の安全対策を施したうえ、「事故」を「災害」に拡大させない防災面での対策を充実させ、実行することも、原子力の利用が前提だ。

いずれにしても、人気投票的に選挙優先的に政権政党が、原発ゼロを決めて良いのか。原発ゼロでは、日本経済が失速し、失業増や貧困拡大を招く。最大の被害者は国民だが、なぜかこうした認識は浸透していない。

原発ゼロの課題はあり過ぎる。1970年代の2度の石油危機を経験したはずではないか。あの危機を乗り越える力はないのではないか。少子高齢化、人口減少で社会保障費が増大し、貧しくなる国が一層、貧しくなる選択を選ぼうしているのではないか。

原子力も含め多様なエネルギーを持つことでリスク回避ができる国の安全保障にほかならない。

昨今のゲリラ豪雨など地球温暖化への対処もある。原子力は温暖化ガスの排出削減に有効だ。世界第3の経済国である日本が世界共通の課題解決に背を向けることでもある。

再生エネルギーの実力は未知数だ。高い発電コストは下がるのか。電力の安定供給に支障はないか。普及には大賛成だが、限界が見えたら戦略を見直す柔軟さが要る。再生エネ政策でスペインは破綻し、ドイツも何度か、政策変更をしている。

何が本当に国民の安全・安心につながるのか。苦労してきた立地地域がどうするかなど、政府は大局的な観点から責任ある判断を下してもらいたい。最後は政治判断だ。政権政党として、責任ある政府として賢明な判断を祈りたい。
スポンサーサイト



【2012/09/04】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |