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政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の影響
Date:2011-11-07(Wed)

昨日は議会の決算常任委員会。23年度決算の審査が夕方まで続いた。今年4月開学した福井大学附属国際原子力工学研究所の建設工事費もその対象だ。

福井新聞によると、この研究所の竹田敏一所長が米原子力学会の最高会員であるフェロー会員に選ばれた。原子力技術の発展に功績があった会員の中から選出されるもので、同研究所によると日本人での選出は9人目。12日に米・サンディエゴで認定証が授与される。あらためてお祝い申し上げたい。今日にも渡米するとか。

ところで、シャープ、パナソニック、ソニーが2012年9月中間決算で巨額の赤字を計上した。韓国、中国勢の低価格攻勢を受け、稼ぎ頭だったデジタル家電は不採算部門に転じた。発売半年で半値近く下がる商品さえある。事業撤退や工場閉鎖の影響は中小零細や雇用にも及ぶ。

企業の浮き沈みは、企業を立地する地域に大きな影響を与える。近くで言えば、小浜市。松下の撤退は小浜市の経済や雇用に今も大きな影を落としている。

大阪など都市部でも同じだ。企業の価格競争の果てに失業と貧困が生まれる現実は、やはりやるせない。生活保護ナンバーワンの地域の実情だ。ここに電気料金の値上げがこたえる。

原子力分野の企業も同様だ。矛盾をはらみ、到底、戦略に値しない「原発ゼロ」を掲げたままでは、原発を支える関連産業も縮小する。そこに人材が集まるはずがない。

原子力ルネッサンスとして安定した職場とされたきたこの分野でも3・11以降、メーカーである日立、東芝、三菱重工や電力会社では離職率が上がっている。優秀な人材ははやくも海外への人材流出している。

原子力発電所の再稼働の問題は長引けば長引くほど立地地域に深刻な影響を与える。昨日の経済産業省などの要請でもおおい、高浜、美浜町の議員からも切実な声が松宮副大臣に伝えられた。

一つの原子力発電所を維持するには、保守点検まで含め、3000人とも4000人とも作業員や技術者、それを支える事務部門が必要だ。さらに民宿、弁当屋など地域経済、雇用をしっかりと支えている。大飯3、4号以外1年以上、停止している。

このままでは、保守点検にかかわる企業が資金難により存続できなくなる。熟練の作業員も散逸してしまう。原子力関連の人材の確保、育成は待ったなしの状況にある。 

迷走の根源は、政府の「革新的エネルギー・環境戦略」だ。

これとは裏腹に、原子力発電所の運転や廃炉など各専門分野の人材が、いつ頃までに、何人くらい必要なのかを、政府として、まず見積もることなどを提言している。提言は、原子力工学や放射線影響など幅広い分野で、大学教育などを充実するよう求めている。安全規制の人材育成や、環境教育の強化なども挙げている。

昨日も原子力規制庁のミスが報じられたがチェックする人材も含め将来を見据えて、人材育成と維持と言っても、夢や希望がない分野に学生はいかないのが常識だ。

松下電機産業の創業者、松下幸之助氏が残した言葉に「産業人の使命は貧乏の克服である」。今から80年前の言葉だ。

その頃、青年将校らによる五・一五事件が起きている。昭和恐慌後の貧しい時代だった。産業立国、日本の立ち位置を地方も含め今一度、見つめ直す必要がある。昨日の議会の審査でも敦賀市での生活保護者世帯への経費も着実に増加している。現実をしっかりと見据えた政治が求められていることはいうまでもない。
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