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指定管理者による病院運営
Date:2008-07-11(Fri)

昨日は、川崎市立多摩病院を訪れた。目的は、病院経営のあり方。北陸では、はじめて富山県の市立の氷見病院が金沢医科大学の指定管理者による公設民営型の経営に切り替えた。

市が置かれている厳しい財政状況の下で、市民病院を地域の中核病院として今後も存続させ、併せて新病院建設の見通しを確実なものとするためには、市民の医療の維持・充実を図るとともに、民間ノウハウによる病院経営の実態はどのようなものか、調査することが目的でもあった。全国の公立病院の改革でも、データは古いが、指定管理者制度を導入に踏み切った例も多く、千近い公立病院の中で、42団体 43病院(平成18年11月現在)が導入している。

そのひとつが、平成18年から運営を開始した川崎市立多摩病院。川崎市内の他の市民病院と比べ、経営を民間に切り替えることにより、病院事業の収支がかなり違うことは事実のようだ。コスト負担も病床数は市立敦賀病院と同じ程度で、約3億円と敦賀市の半分以下の一般会計からの持ち出しに終わっている。経営を重視するばかりに、地域医療に必要な救急部門、小児科、産科などがおろそかになりがちだが、逆に充実が図られている。医師不足対策も聖マリアンナ医科大学と直結しているために、それほどの心配がないとか。逆に、三分の一は他の大学出身者を入れるとする協定を結んでいる。

ただ、都会という地域性や新しい病院という点で実現が可能であり、富山県の金沢医科大学市民病院の痛みを伴った改革とは違うことは確かだが、逆に私立医科系大学が経営する共通する点も多い。コスト面での改善、医師供給体制などである。市立敦賀病院に指定管理者制度導入は、地域性や職員との関係から困難としても、経営面のノウハウは、参考になることも多い。

身近な例として、看護師を病院副院長に登用している。全国的にも増えつつあること確かだ。現場の声を経営に反映させることで、医療サービスと勤務環境の向上につなげたい考えだ。看護部長で副院長である鈴木まち子さんが院内を案内してくれた。

現在、全国で看護師を病院副院長に登用しているのは183病院で、そのうち神奈川県は19病院と全国最多とも。最初に登用したのは1987年の北海道内の病院で、20年以上経過した現在では全国の病院全体の2%がその体制をとっている。

看護師は全職員の6割を占めており影響力がある。現場に携わる看護師から患者や職員の声をストレートに経営に反映させることが、医療サービスの向上につながるとのこと。従来は病院経営に大きな影響力を持つ副院長の立場を看護師が担うことはほとんどなかった。しかし、近年相次いだ医療ミスの問題などで、病院側にとって透明性の確保は最大の課題であり、登用により現場の意見が、明確に反映できるというもの。きめ細かい、患者の満足度をアンケート調査するなど様々な試みに力を入れている。

同院は看護師不足の現状を受けて、二交代制、4人体制と、勤務の負担を減らしている。現場を熟知する看護師が経営に直接携わることが、医療サービスの向上には役立つといえそうだ。

市立敦賀病院もあり方検討委員会の答申を受け、本年度には改革方針を明確に打ち出す。

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