ハンセン病と心のキズ
Date:2014-08-15(Fri)

私の育った香川県には島が114、その内、有人島が24。風景は穏やかで美しいが、島の生活は楽ではない。産業廃棄物の島の豊島、壺井栄の「二十四の瞳」の小豆島と、背景には生活の苦しさがある。

誰にも心のキズ的な「差別」がある。母から「あそこは、行ってはいけない島」と教えられた。

その島が、屋島と小豆島に挟まれるように瀬戸内海に浮かぶ離島、大島。ハンセン病元患者の療養所の島だ。すでに2000人あまりの人がこの地で亡くなり、百人程度が静かに暮らしている。

島には療養所の職員の子どもが通う小学校があった。子どもを持つことを許されなかった元患者たちと生徒たちとの不思議な交流が静かに続けられてきた。何十年も外と接触を断って生きてきた島だけに、そこで育ったというだけで差別が生まれる。

その子供が転校して近所に引っ越してきた。昔は近所というだけで遊び友達になった。ところが、その出身がわかると「いじめ」や「悪口」を言って仲間外れにしてしまった。

ハンセン病に対する偏見、差別を子供心に植え付けられると、心のトゲのように残ってしまっている。

ハンセン病を患った作家、私と同じ苗字の「北條民雄」。親族により本名は公表されていなかった。出身地の四国の阿南市が親族に20年間、本名を公開するように説得、ようやく今年6月、親族の了承を得て、没後77年経ってようやく本名が公開された。
その代表作「いのちの初夜」は一度、読むと心に刺さる。ペンネームは七條晃司(しちじょうこうじ)。

苗字の「條」だけは残した。「條」の意味は、白川文学の説明によると、「長い枝」の意味から転じて「筋道」を表す。

名前を隠しても譲れないものがある。瀬戸内島の大島の小学校も7年ほど前、少子化で廃校になった。


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