信なくば立たず
Date:2015-11-06(Fri)

昨日、敦賀原子力発電所2号機について日本原子力発電は、破砕帯問題に反論する追加調査の結果を盛り込んで再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請した。

提出した申請書類に、この1年ほどの間に追加で行ったボーリング調査などの結果を盛り込み、これまでの主張と同様に、2号機の真下の断層は将来活動する可能性のある断層ではないとしている。

一昨日の高速増殖炉もんじゅと同様、敦賀市の将来にとっても大きな影響を与える問題だ。雇用、景気、福祉と市民生活に与える影響は大きい。まさに正念場とも言える課題だ。

敦賀2号、もんじゅといい、根本的には福島の事故の影響とも言えるが、それ以降、できた原子力規制委員会に翻弄されていると言っても過言ではない。

これまでの原子力規制委員会の規制活動に対して以下のような指摘がされてきた。

①立地県知事からの面会要請を拒否し、敦賀2号活断層判断に対する地元からの説明要望を拒否する等、国民との対話、コミュニケーション、説明が不足である。

②新規制基準適合審査において事業者からの要請を拒否する、活断層評価有識者メンバーから過去の安全審査に関わった専門家を排除する等、独立性、中立性に懸念が残る。

③一人の担当委員の出した結論を、十分な議論をしないで委員会決定としてしまうなど、「合議制」の形骸化が懸念される。

④新規制基準のような重要案件を規制庁がどういうプロセスで作成し委員会向けに提案するかの実態が不明確、規制庁と委員会メンバーとの間でどういう議論がなされているのかの実態が不透明など、原子力規制委員会と事務局<原子力規制庁>との関係が不明確である。

⑤新規制基準の審査会合や破砕帯に関する調査などにおいて、法定化されている原子炉安全専門審査会などを関与させず、法的位置づけが曖昧な有識者会議を組織する等、適正手続き・透明性に懸念が残る。

等々、国会の議論でも多く指摘をされている。なぜ、指摘が絶えないか。原子力機構も問題があるにせよ、原子力規制委員会にも多くの課題がある。権力と権限を持った組織だけに、その独善的な組織運営の影響ははかりしれない。

「信なくば立たず」という孔子の言葉がある。政治を行う上で最も重要なのは信頼だという意味だ。この「信」の字は「芯」にも言い換えられる。まさ「信」も「芯」もない組織に思えてならない。

委員長個人の判断でものが動くことも多く、また、もんじゅに対して「機構の能力は平均値以下」「ラストチャンスは過ぎた」など、会合のたびに規制委員が容赦ない批判を浴びせた。ネットで見ることができる。委員を批判することは避けたいが、彼らがもんじゅの現場に足を踏み入れたことはあっただろうか。現場を見ずして机上の書類だけで判断する危うさをあらためて感じた。

原子炉等規制法の法律では、規制委が、原子力の安全に関して関係省庁の長に勧告を出すことができると規定しているが、実際に出されたのは初めて。極めて異例ではある。それだけの事態とも解釈したいが、その重み、影響を考えての勧告だろうか。勧告を出すにあたっての議論の中身、これこそ平均的以下ではないか。「信なくば立たず」だ。

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