希望を失わず耐え抜いた意志の力
Date:2015-11-12(Thr)

昨日の福井新聞の越山若水の冒頭ー「正しい目的は、それにふさわしい正しい手段を用いない限り達成できない」—。ミャンマーの民主化運動を主導したアウン・サン・スー・チーさんの言葉である。含蓄のある言葉だ。

イスラム世界と違い、野党は事実上の勝利宣言を出し与党は敗北を受け入れた。世界中から選挙監視団による選挙も人が整然とならび投票に行く、そして結果がでる。正しい手段であり、まさに民主主義の根幹だ。

私が驚いたのは、勝利に沸く人々を前にスー・チーさんは演説した言葉だ。「喜ぶには少し早い。今は敗者を刺激しないことが大事だ」と。、細部も大局も見えている人の言葉と受け止める。

ここ30年弱、ミャンマーの代名詞はスー・チー氏になった感さえある。民主化のシンボルであり続けたのは、建国の英雄だった父の七光だけではない。反体制の闘士に見えるが、現体制をすべて否定するわけではない。昨日の新聞報道では、大統領と軍部幹部にまず対話を求めた。和解を進める姿が仏教徒の多い国民に受け入れられたそうだ。

どれだけの人が今日のミャンマーを予想できただろう。希望を失わず耐え抜いた意志の力に敬服するしかない。

ところで、昨日、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐり、日本原子力研究開発機構に代わる運営主体を明示するよう原子力規制委員会が勧告を決めたことを受けて、西川知事は馳文部科学大臣に対し、政府が責任を持って「もんじゅ」の運営体制の立て直しに取り組むよう申し入れた。時期を得た妥当な申し入れだ。

先日の原子力規制委員会の日本原子力研究開発機構に運転を任せるのは不適当だとして原子力機構に代わる運営主体を明示するよう文部科学大臣に勧告するとの内容、どこかピントがずれている。知事は規制委員会を相手にしない。逆に相手にしてもどうにもならない組織に思えてならない。

この中で、西川知事は、研究開発の成果が十分にあげられるよう、新たに政府の責任体制を整備することや、核燃料サイクル政策の分野で将来にわたり日本がリードしていくため、教育・研究設備の整備を推進することなどを求めた。これも妥当な申し入れだ。

西川知事は記者団に対し「もんじゅに関する国の安全基準が出来ていないなかで、個別の議論をするのは違うと思うので、何を優先し、何が大事なのか、文部科学省を中心に体制を整えて欲しい」と述べた。これも原子力規制委員会の勧告への批判とも受け止める。

書き出しのスー・チーさんの生きざま、希望を失わず耐え抜いた意志の力、今のもんじゅに必要な意志の力だろう。
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