独善的な規制委に翻弄され続ける敦賀市
Date:2015-11-19(Thr)

原子力規制委員会が発足して3年、敦賀市は敦賀2号の破砕帯問題で向き合ってきた。今回のもんじゅの問題もしかりだ。敦賀市は景気、雇用、社会保障とあらゆる市民生活の分野で翻弄され続けている。

冷静に原子力規制委員会発足以来、振り返ってみると、どれほど、翻弄され続けたことか。敦賀市議会が意見書で何度も説明を求めてきたが、原子力規制委員会の委員が、一度も敦賀市に来て説明をしたことがない。

独立した組織であればあるほど、説明責任はあるはずだ。田中俊一委員長は「世界最高水準の基準」と口にするが、具体的には、原子力規制委員会の設置法が定めている専門家組織、「原子炉安全専門審査会」「核燃料安全専門審査会」「放射線審議会」が、いまだに存在しない。専門的な判断に不可欠な組織がないまま独善的な議論で物事が進められている。

規制委は現在、原子力発電所の安全審査に注力している。ところが、田中俊一委員長と委員4人の中で原子炉に詳しいのは1人しかいない。専門的な議論が尽くされているわけではない。

実際、規制委の議論でも「私は素人なので」「専門の委員にお任せする」というやりとりは珍しくない。最終判断には担当委員個人の考えが色濃く反映される。ましてや高速増殖炉もんじゅの安全をきちんと語れる専門家がいないのだ。それに会合の議事録を読んでも安全文化をまともに語れる専門家がいないとさえ思う。

かつて、自民党の原子力規制プロジェクトチームは、こうした現状について、「合議制で行うべき検討ができていない」「安全審査が法的に適正でない」などと、安全確保への懸念を示している。もっともな指摘である。

また、規制委事務局である原子力規制庁と、専門家組織が技術的な検討を行う。これらを踏まえ、規制委が総合的に判断する。それが、本来の姿のはずだった。もんじゅの勧告への議論も情緒的なものが多く、科学的とはほど遠い。田中委員長のこれまでの言動や姿勢には疑問を禁じ得ない。何度も語るが、規制委は、設置法で独立性を保証されている。しかし、独善的であってはならない。

規制委の独善を抑えるため、目付け役となる顧問会議を政府内に創設するよう西川知事も提言している。

国のエネルギーの基本方針である原子力発電を基幹電源として長期的に視野で安全を審査する機関であるならば、規制委も原子力の専門家の視点で、もんじゅの安全文化形成にどうすべきか、具体的に現場で指摘すべきだが、頭ごなしに一方的に考えを伝えるだけで、いきなり今回の勧告にいたったという結果と言わざるを得ない。

もんじゅの運営を客観的にチェックし、より実効性をもった指摘だったか、いきなり運営主体がダメだは、大人の最大級のイジメとも感じる。敦賀市議会が求めた説明責任を果たさないまま、今日に至っている。もっと真摯に耳を傾ける必要がある。
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