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個人情報保護法と高齢者医療制度の施行後の世相
Date:2008-09-26(Fri)

小泉元首相が引退を表明した。3年前選挙が劇場化で印象的だった。首相も小泉氏入れて四人目。目まぐるしく変わる。世相も変わる。ところで、法律の施行が、くしくも世相や世論を変える力があることを痛感する。

ひとつは、プライバシー保護を目的とした「個人情報保護法」の全面施行から三年以上が過ぎた。行政、企業を問わず個人情報に対する意識は確実に高まってきた。それも実感的にだ。町内会はもとより、学校、幼稚園、保育園まで・・・。

これがあたり前かもしれないが、必要な情報まで得られなくなった過剰反応や弊害を、あらためて感じることも多い。災害時の要介護者を救うこと、町内会の連絡網、子供会の連絡網でも住所はない、携帯電話は当然、記されていない、電話をしても核家族のためかつながらない。運動会で子どもたちの生き生きとした表情を会報などに了解なしに掲載することは不可能だ。町内会や学校など身近な職場や現場ほど、恐らく個人情報を扱う難しさを抱えている最たる所だろう。

繰り返しになるが、地域や保護者とのネットワークが欠かせないのに、連絡網は自宅電話のみでその他はすべて省かれ、学校だよりは簡素化、子供たちの写真は掲載されること珍しい。プライバシー保護は当然としつつも、ある一面では、人間関係を無味乾燥にする法律でもある。

もうひとつは、この4月に導入された「後期高齢者医療制度」だ。これほど批判され、野党は廃止、与党は全面見直しと、施行わずか半年で変わろうとする法律も例をしらない。世論の力は大きい。75歳以上の高齢者らを対象に4月に始まった医療制度。患者の自己負担を除く給付費の5割を税金、4割を現役世代からの支援金、1割を高齢者自身の保険料で賄う。施行まで時間もあったが、野党もそれほど騒がなかった。ところが、年金からの保険料天引きなどが、あきらかになるや怒りが噴出した。

昨年の今頃、敦賀市議会や地方議会で高齢者医療制度の条例を審議していた。不満や疑問が多いが、急速な高齢化で高齢者医療費は増え続ける現状からしかたがないと各地の条例は承認されていった。確かに、75歳以上の後期高齢者の医療費が55%を占める現状から、高齢者の長期入院患者が多い療養病床を削減、在宅医療や介護保険へ移行させるなど、高齢者医療費の抑制は、地方自治体も財政逼迫でやむ得ない措置だとの判断だった。

また、国民健康保険の赤字穴埋めなどのために市区町村が一般会計から特別に支出している法定外繰入金は、2004年度は3855億円。ほぼ一貫して増加している。それも社会保険を支払っている市民からの一般会計からの持ち出しには、限界がある。現状の財政逼迫と中央の法律だからと、私もそうだが、議員も、やむ得ないと賛成した議員が大半であった。

しかし、半年もならないのに、与野党とも廃止や見直しと語気を強めた。民主党は、後期高齢者医療制度は廃止し、将来的にすべての医療制度を統合して一元化、地域ごとに保険組織を創設する構想を民主党が打ち出した。また、与党の舛添厚生労働相も昨日、早速、直属の有識者検討会で議論を始めた。

民主党の素案は、新聞報道によると、後期医療制度の廃止後、高齢者医療費の負担が大きい国民健康保険への財政支援を強化する一方、健康保険組合や政府管掌健康保険組合(10月1日から全国健康保険協会管掌健康保険に移行)との財政負担調整も行う。その上、各医療保険制度を順次統合し、将来は一元的な地域保険を創設する。ただ、これも財源問題がつきまとう。地域保険というが、高齢化率が高い地域ほど税率が高くなるのでは、本末転倒だ。この問題は、それほど難しい。その意味での衆議院選挙や政策論争は、意味がある。

一つ目の個人情報保護法の改正は、緩和の方向には動かないだろう。高齢者医療制度は、高齢者に冷たかった。法律施行が、選挙を早め、廃止と見直しとなる。個人情報も高齢者医療費抑制も必要なことだが、一方で、人間関係など、無味乾燥になってきた世相の鏡でもある。
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