若狭湾エネルギー研究センターの再生
Date:2015-12-26(Sat)

クリスマスから新年はあっという間に過ぎていく。年末と週末が重なると、余計に暮れを感じる。挨拶回りで若狭湾エネルギー研究センターの話題となった。敦賀市長谷に1998年に設置された。同年10月に開所した。もんじゅのナトリウム事故から3年後のことだ。6

大型の施設の多目的シンクロトロン・タンデム加速器やタンデム型加速器が設置されている。かつては、診療所を併設し、陽子線がん治療臨床研究から実証から治療までを考えていた。初代理事長は、垣花秀武さん、東京帝国大学理学部卒業、国際原子力機関次長。名古屋大学教授、同プラマ研究所長と立派な経歴を持っていた。それだけに求心力と影響力もあった。

敦賀に在任中、脳梗塞で倒れ、敦賀を去っている。この頃から若狭湾エネルギー研究センターの歯車が狂いはじめた。陽子線がん治療が福井市の県立病院に移ってから、看板でもあり、注目を集めた研究センターの求心力が失われたと言っても過言ではない。

設置前にプラザ萬象に準備室があり、垣花さんは陽子線がん治療から材料試験など大学など研究機関への発展を考えていた。将来象を楽しそうに語る理事長の顔が忘れられない。というのも、四半世紀前の東京に赴任時代にお世話になった関係で敦賀駅前のマンションにお邪魔しては、もんじゅ以外の実用的な研究施設の設置による敦賀市の将来象を何度か伺った。

ところで、政府は地方移転の候補となる34の中央省庁や独立行政法人の研究・研修施設を決定した。政府がこの春に示した「地方移転候補リスト」からして、本気度が疑われた。リスト掲載の約250施設のうち現所在地が都内は50余り。本県など42道府県が69機関の誘致を提案した。

政府が公表した対応方針によると、「組織全体の移転」は大阪が提案した医薬基盤・健康・栄養研究所傘下の研究所だけ。それも、もともと研究所の独立行政法人本部が大阪にある機関という残る本県提案の若狭湾エネルギー研究センターへの理研の一部移転。ところが、現実は話だけのようだ。

理化学研究所は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めているだけに移転が決まれば研究センターの再生につながる。現実、「一部移転」の多くは、各地の大学や企業との連携強化にとどまる。

研修施設の「移転」には、研修や合宿の地方開催も含まれると期待度は大きかっただけに「絵にかいたもち」だ。「東京一極集中是正」策とはほど遠い。

安倍政権は今日で、発足3年を迎える。大規模な金融緩和は株価上昇や企業業績の改善に結びついた。だが、肝心の「地方創生」が「絵にかいたもち」か、若狭湾エネルギー研究センターの運営費は交付金と電力などの人材派遣で成り立っている。もんじゅと同じように来年は正念場とも感じる。
スポンサーサイト
【2015/12/26】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |