歴史と地政学的な強みを生かしたまちづくり
Date:2016-01-03(Sun)

年末年始を父の故郷である、北陸新幹線で賑わう金沢市で過ごした。昨年3月に開業してから金沢市は瞬く間に、はやりの観光地と化した。高速で大量の輸送機能を持つ新幹線は在来線特急の3倍もの人を北陸に運び、予想以上の経済効果をもたらしている。観光地ばかり訪れたこともあったかもしれないが、かつてないほどの異常な賑わいだ。
 福井など北陸地域の景気回復の足取りが重いときに、これは贅沢な悩みかもしれないが、近江町市場や東山かいわい、長町武家屋敷跡などに観光客が押し寄せ、趣も風情もどこかに流されてしまった。まさにテーマパークだ。

ただ、金沢市の強みは何と言っても歴史に裏打ちされた文化だ。金沢市の個性が際立つのも厚みのある文化のおかげである。敦賀市も歴史の重みでは負けていない。ただ、港町であり、産業の町だっただけに文化、芸術と言った面のソフト面の厚みがない。
 昨年の金沢市は新幹線開業の騒々しさで、先人が営々と築いてきた文化の蓄積も目先の利益を追う性急さに食い荒らされているのではないだろうかとも思うことさえ感じた。
 一方、金沢の特色は本物の文化が人々の営みに根付いていることである。新幹線の開業と同時に観光客が殺到したのも、つくりものでない文化が息づいているという評判が伝わっていたからだろう。
 
文化を重視するというと「文化では食べていけない」といった反応が出るかもしれない。かつて敦賀市議会で高木元市長は「観光では飯が食えない」との言葉を残している。

しかし、金沢の文化の厚い基盤があるからこそ国内外から多くの人が訪ねてくることを認識したい。敦賀市にも港町という歴史があり、地政学的な優位さで企業が工場が来て、関西という電力の消費地の近さと地盤と海の立地から原子力発電所がある。

一方、企業が金沢に拠点を設け、本社機能を移してくるのも、ものづくりの伝統に加えて文化と学術が盛んな立地環境が評価されるからである。
 
遠回りに見えるかもしれないが、歴史や地政学的な強みを磨くことが敦賀の魅力を増し、勢いを生む。今、原子力発電所の長期停止で悩む敦賀市、長い目で展望を持ち、あえて本質を問う見識と気概が求められる。
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