高齢者の憩いの場、市民福祉会館と銭湯
Date:2016-02-07(Sun)

敦賀市には、民間の温浴施設が、昔懐かしい公衆浴場、銭湯が3軒、スーパー銭湯が2軒、市の施設でリラーポート、市民福祉会館と恵まれた環境にある。

なかでも温泉浴室付きの敦賀市民福祉会館で今月2日、市から利用者らへ2016年度末に廃止するとの方針が説明会があった。70人ほどの高齢者が参加し、「廃止されても行き場がない」「福祉施設の存続を採算で考えて良いのか」と存続を願う声が相次いだとの報道。説明会は9日にも市福祉総合センターで開かれる。

理由は、耐震補強工事費や3千万円以上かかる維持費もかさむことなどを説明し、廃止を前提で提案している。
 会館は1977年にオープン。広さ九十畳の集会室、娯楽室、教養室、談話室、機能回復訓練室も備える。料金は60歳以上の市民が200円。市はかつて廃止を提案したが、存続の要望が多数あり、2012年に設けた管理運営検討委員会の答申に基づき、13一15年度に暫定運用をしていたもの。施設の運営費用、耐震性など、公共施設としては限界となっていた。それに敦賀市の人口減少財政事情だ。存続は利用者の要望だが、難しい局面であることは確かだ。

ところで、かつて、町の文化は銭湯から生まれ、育まれたとも言われる銭湯。都会はもちろん、小さな地方都市の敦賀でもお父さんもお母さんも、怖い頑固オヤジも近所のおばあちゃんもみんな銭湯に集まって背中を流し合い、子どもは背丈が大きくなったねと褒められ、コーヒー牛乳を飲み干し、濡れた髪を乾かすのがめんどうで怒られたりしながら家に帰った記憶もある高齢者もいるのではないか。

敦賀の人道の港ムゼウムの杉原千畝さんが助けたポーランド系ユダヤ人を、敦賀の銭湯を無料開放したのも戦前の有名な話だ。

こうした風景が見られなくなって、いったいどれくらいの年月が経ったでしょう。敦賀においても客足が遠のき、銭湯はひとつ、またひとつと姿を消した。残すこと3軒、その向かい風を受けて、人と人との結びつきが強い旧市街で、銭湯という場はこれからどうなっていくか、意外にもいまだに風呂を持たない家や高齢者となって、一人暮らしで銭湯を利用する方など、なくてはならない存在となっている。

銭湯は、疲れた心と体を癒してきれいさっぱりになる生活のサイクルに組み込まれた場で、けれど、今では風呂無しの家のほうが少なくなり、銭湯へわざわざ足を運ぶ人は激減。

もうひとつの大きな要因に、今、5年前の福島の事故以降5年、作業員の激減でこれも激減、原子力発電所の長期停止の影響がここにも出ている。

今、高齢者の憩いの場の銭湯、市民福祉会館とひとつの大きな曲がり角に来ている。ただ増える高齢者、一人世帯の多い敦賀で高齢者福祉を真剣に考える時期でもある。
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