JR敦賀駅改築と日本経済
Date:2008-10-04(Sat)

小浜市から福井市へ。それも夜、赤ちょうちんの小さな店で話を伺うと、どこも不景気を感じる。もちろん、敦賀の飲み屋もそうだが、消費者心理は正直だ。十年単位でくらいでみると、飲み方も変わるとか。

新聞情報を総合すると、日本経済はこのまま深い谷間に入るのだろうか。日銀の企業短期経済観測調査(短観)を見ると、不安に襲われる。経営者の心理が急速に冷え込みつつあることを、今回の短観ははっきり示している。大企業製造業の景況感を表す業況判断指数は四・四半期連続で低下し、約五年ぶりにマイナスに転落した。

原材料の高騰が企業経営を圧迫し、物価の上昇が個人消費を鈍らせている。そこへ米サブプライムローン問題による金融危機が重なっての結果だろう。

欧米経済は後退色を強め、今後、日本の輸出産業が打撃を受けることは避けられない。景気回復を引っ張ってきたのは、旺盛な輸出で収益を上げてきた大手製造業だけに、その影響は大きい。ここまで、書いてきて結論は、とりわけ厳しさの目立つのが、地域経済を支える中小企業である。福井県内、敦賀市は、中小企業が多いだけに、より感じるのである。

敦賀市の業況判断指数がほぼ全産業でマイナスではないか。商工会議所で行う、景気の現状が「良い」と答えた企業から、「悪い」と答えた企業の割合を差し引いたのが、この数値である。これまで「良い」が「悪い」を上回っていたのが、どこも逆転している。

一昨日も、日本海フェリーの話を聞いたが、速度を落としての運行など苦慮している。どの船会社も一緒だ。原料高騰にあえぐ企業は多い。短観で「資金繰りが苦しい」と答えた企業の割合は、中小企業ほど高く、金融機関の融資姿勢については、企業規模が小さいところほど「厳しい」と答えている。なかでも、建設・不動産業界に対して、金融機関が融資を抑制しているとか。

政府は補正予算でてこ入れを図るが、選挙でどうも本腰が入っていない。民主党も政権交代の代表質問で、景気対策どころでもない。新党日本の代表の質問の少子高齢化が、根本的に景気を悪くしているという話もわかる。ここまでくれば、選挙を早くして本腰で少子化や景気対策に入る出来ではないか。そんな思いを強くする。

ここまで書いて、敦賀駅周辺整備構想策定委員会が2日、敦賀市役所であった。焦点の駅舎改修問題について、同委がこれまで求めていた全面改築を当面見送り、JRが進めるバリアフリー化に合わせた一部改修にとどめる案でまとまった。まともか、どうか別にしても、議論経過を聞いても、背景には、市内の土木建築の景気の悪さが見え隠れする。当然、国の北陸新幹線の敦賀一括延伸にめどが立たないなどが理由も重なるが、従来どうりの公共事業で市内の景気浮揚は期待できるはずもない。

これまで委員会は、06年10月、駅舎を3階建てに全面改築することなどを盛り込んだ整備構想をまとめ、市長に答申していた。だが翌年6月に新幹線の敦賀まで一括延伸案が浮上したため、JRは「新幹線駅舎の構想が決まらないままでは全面改築に同意できない」と拒否した。当たり前の話だ。JR敦賀駅は、公共性が高いと言え、JR西日本の所有物だ。一方でJRは2010年度までに駅舎をバリアフリー化することを決めた。これは法律に従い、自ら金を出すのとの話だ。

9カ月ぶりに開かれたこの日の会合で市は(1)整備はバリアフリーだけ(2)バリアフリーに一部改修を加える(3)構想どおり全面改築する――の3案を提示。委員からはあくまで全面改築を求める声が多数を占めたというが、この時期、本末転倒だ。敦賀市の押す一部リニューアルも私は、賛成ではない。

私は、二段階で物事を考えるべきとの主張だ。まず、バリヤフリーの工事を10年度までに行い、駅西の開発が具体的になり、財政状況をも考えながら、次のリニューアルか、全面改装か、など議論を進めるべきで、リニューアルも得策ではない。川上洋司委員長の苦肉のセカンドベストというが、決してセカンドベストとも思えない。セカンドラストではないか。

委員会は、整備構想の内容をなるべく盛り込んだ一部改修案をJRに提示することを決めた。もう一度、11月にも議論をするということだが、JR西日本との結論は、10月末にも出さなければならない。背景が複雑に絡むだけに矛盾が多い、敦賀駅周辺整備構想策定委員会の結論だ。市長のリーダーシップも必要ではないか。
【2008/10/04】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |