文化の谷間から人材の谷間
Date:2016-04-05(Tue)

昨日、かつての小浜水産高校の実習船「雲龍丸」を視察した。係留されて2年、次の行き先の決まらないまま、小浜港に係留されたままだ。

小浜水産高校は、1895(明治28)年に福井県簡易農学校の分校として誕生した。これこそが、わが国における水産高校のはじまりであり、119年の歴史の幕開けであった。

この小浜水産高校は、これまで、船舶、養殖、食品加工分野などでの教育を行い約2万人の卒業生を輩出してきたが、2013(平成25)年4月より地域の普通科高校である福井県立若狭高校と順次統合された。

まちづくりには「よそ者・ばか者・若者」が必要といわれるが、海好き、魚好きの高校生の若者、教員が集まる水産高校は地域にとって、人材育成など大きな役目を果たした。少子化や大学進学だけでの高校の再編は、長期的な人口減少、人材流失にもつながる。

ところで、県立高校再編の第1弾として奥越地域の県立高校が再編で、大野東高と勝山南高を統合し、大野東高の敷地に福井県内初の総合産業高校の「奥越明成高等学校」が開学となった。
 
第2弾として若狭地域も小浜水産が若狭高校に統合され、三校が二校に再編された。次は、敦賀・美方地域として、敦賀高の職業科(商業系)を敦賀工高に統合し、敦賀工高を総合職業高校に。美方高の職業科も敦賀工高に再編し、敦賀高・美方高は普通科単独という案が提示されたが、現在、棚上げ状態だ。

職業教育の再編や学区制が廃止され、県内どこの高校へも入学できるようになり、敦賀市は、文化の谷間と言われて久しいが、私の見る限り、学力の谷間も形成されつつあるのではないかとも思う。学区制や再編問題や中高一貫教育など、この機会に真剣に取り組まないと、学力の谷間が将来の人材の谷間になる可能性とも通じるからだ。

中学校まで敦賀にいたのだから、故郷は敦賀だからという安易な考えもあろうが、高校、大学の学力や人脈は、その後の就職、人生にも色濃く影響する。少ないとはいえ、住宅購入という面にも、影響する。経験上もそれだけで済む問題でもないと思っている。大学レベルでいえば、地方から都会へ、有名校へと流れは、これまでもあった。
それが、地域に戻るという心理に微妙に影響してきた。しかし、高校レベルでのこの流れは、違った意味での頭脳流出を生むと考える。

敦賀を支える人材育成を中長期的に考え、学区制と学校再編問題と合わせ、真剣に考えるべきではないか。

方向性の定まらない雲龍丸の係留は、この地域の人口減少、雇用喪失、人材流失とも絡んでいる。
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