中池見湿地の保全、先送りでは許されない時間が10年以内に来る。
Date:2016-05-09(Mon)

敦賀の中池見湿地は日本の現風景とも言える貴重な存在だ。子供たちの学習の場としても、我々世代には、心落ち着く癒し場でもある。

なによりも国際的に貴重な湿地の保護を定めた「ラムサール条約」に登録され、およそ25ヘクタールの敷地ながら3000種類の動物や植物が生息し、10万年以上の気候変動を記録するなど学術的に貴重な約40メートルの泥炭層などもあり、ラムサール登録以来、来場者は増加。エリアが開園した00年以降の来場者数も20万人を超えた。

一方、湿地の維持管理に充てている市の4億円あった基金は年々減り続け、10年以内に底を突く。このため市などは、維持費の確保につながる湿地の活用法を模索し、今年2月に検討委員会の答申を受けた。

正直、玉虫色の答申書にはがっかりした。今後は環境保全といかに両立していくか、先送りの答申といっていい。今後の課題となることは確かだ。

現在の中池見湿地には多くの課題がある。獣害による被害や外来種の増加、植生遷移などに伴う湿地環境の変化、低い認知度、保全や活用に係る人手不足・資金不足などさまざまの課題を解決していくた今後の保全活用の方針を期待したが、今回も玉虫色、先送りとなった。

答申書に「科学的知見も少なく、人の干渉の予測も難しい湿原環境の保全にあたっては、可能な限り調査・研究に基づいた合理的な手法を採用し、不都合が生じた場合は随時計画を見直す「順応的な管理方式」を採ることとします。

様々な、場合によっては両立できない保全目標を遂行するために、一律の保全ではなく、場所の区分や、生物の生活史に合わせた季節的な調整も取り入れた保全を検討します。 保全計画の策定、実行、及び効果の判定のすべての過程は公開し、外部からの多様な意見を取り入れます。 」とあまりにも玉虫色だ。

年間約2300万円の維持管理費は、大阪ガスからの寄付を積み立てた中池見保全活用基金を取り崩している。当初は4億2000万円あった基金も2億円を切った。あと10年持たない計算だ。中池見湿地における保全の基本方針とそれを具体化する方策は、先送りは許されない時間がいずれ来る。
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