もんじゅの運営主体と将来
Date:2016-05-14(Sat)

中学からの愛読書は作家の司馬遼太郎さん。「竜馬がゆく」から「坂の上の雲」まで四国を舞台にしているからなおさらだ。

なかでも「日露戦争を境にして、日本人は十九世紀後半に自家製で身につけたリアリズムを失った」とする考えは納得だ。日露戦争は実際はきわどい勝利だったのに、日本は神秘的な強さを持っていると勘違いし、第2次世界大戦の悲劇につながったとみる。

歴史という大河にまで思いを巡らせなくても、日々の小さな流れに根拠のない楽観論や希望的観測が潜んでいる。今そこにある現実を直視するのが、簡単ではない。

原子力規制委員会が昨年11月に高速増殖炉もんじゅの運営主体を見直すよう馳浩文部科学相に勧告してから、昨日13日で回答期限の目安となる「半年」を迎えた。との福井新聞、新たな運営主体を探る文科省の有識者検討会は今月末にも報告書をまとめるとか。前途は厳しいがなんとか頑張ってほしい。

「これまでの議論から浮かび上がる新組織は、日本原子力研究開発機構の一部職員と保守管理のプロらが入り、経営に外部有識者が参画する形だ。ただ現段階では組織の理想像にすぎず、文科省が具体的な組織概要を決めるのは夏ごろとみられる。」(福井新聞)とする論評は正しいみかただ。現実の厳しさが横たわる。ただ、ここにはもんじゅの再稼働だけではなく、日本のプルトニウム政策、エネルギー政策の根幹にも繋がる、それが立地点の敦賀市の将来とも密接に関係すると思う。

同じように論ずるのはおかしいが、日産の傘下に入る三菱自動車も現場主義が市場に走りすぎた結果があり、それも組織的に動いているから始末にわるい。三菱自動車はいつかは乗りたい思っていた三菱ブランドは格好いい。

ただ、現場には「燃費目標引き上げは現実的には達成困難」「実務状況の確認をしなかった」「机上計算でデータを取得した」。一連の問題に関する報告書からは現場や現実と向き合えず、不祥事に至る姿が浮かび上がる。

勤勉さに実直に働く社員、額に汗して地道に働く下請け企業への影響は計り知れない。それ以上に日本のモノづくりへの信用、信頼の失墜にも繋がる。

司馬さんが言う「勝たないまでも負けない組織づくり」、成果のあがる組織づくりともんじゅの正念場だ。
スポンサーサイト
【2016/05/14】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |