敦賀での水素ステーション構想
Date:2016-10-31(Mon)

福島県には福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想というのが3、11以降国の肝いりの政策、構想として福島県はもとより、国会でも何度も取り上げられた。

エネルギー関連産業プロジェクトとして水素社会の具現化を明記し、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所と水素の大量貯蔵や長距離輸送技術の開発に着手している。福島県で水素を生産し、全国に流通させたいという。構想の是非はともかく、これだけでは被災地も被災者も将来展望が開けない。

ただ、計画先行で地に足の着いた段階ではない。それでも国を挙げて県の取り組みを後押しすることで水素の国内流通量の確保を図ると同時に復興の加速化につなげたいとの狙いがある。

問題は構想をいかに現実の社会・経済の中に落とし込み、福島県の復旧・復興につなげるかだ。既存の産業といかに関わりを持たせるのか。人材や技術力をいかに生かすのか。被災地の再生にどう結び付けるのか。そうした点を含め供給拠点形成の道筋を示さないと立派な構想も「絵に描いた餅」に終わってしまう。まだまだ緒についたばかりだ。
 
一方、福島県と同じこととは言わないが、原子力の先行きが不透明な中、もうひとつの軸として水素関連産業の振興につなげたい考えで、多様なエネルギーの供給都市としての地域活性化を探る試みをぶちあげた。
 
計画では、嶺北や滋賀県の近隣6市町で連携を進める「ハーモニアスポリス構想」の一環で水素社会形成を目指すことにしており、2017年度中に計画を策定。北陸新幹線が同市に延伸する22年度までに、6市町の公用車やコミュニティーバスに水素を使った燃料電池車の導入を図る。公共施設に水素ステーションを設置するなどの取り組みも進める。25年度までには水素貯蔵装置など、関連工場の誘致も探ることにしている。


計画策定に当たっては、原子力発電所が廃炉となった自治体などへの財政支援策として、国が本年度新たに設けた「エネルギー構造転換理解促進事業」の補助金600万円を活用することにしており、近く交付が決まる見通しで先週、構想を発表した。この事業と国の交付は評価したい。

ただ、もんじゅをめぐる国の方針が定まらない中での事業の交付だが、もんじゅの代替わりの振興策とはなり得ないことは確かだ。

水素社会実現の具体的道筋はまだ見えていない。福島県は国の全面的なバックアップで事業が遂行している。敦賀市はまだ計画の検討段階でわずかならの交付金の見込みとなったばかりだ。期待もしたいが、「絵にかた餅」にならないように粘り強い取り組みとしたい。

スポンサーサイト
【2016/10/31】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |