もんじゅの存続を国際情勢が大きく変化するなかで、拙速に結論を出していいのか。
Date:2016-11-11(Fri)

昨夜は福井大学付属国際原子力研究所で、福井県原子力平和利用協議会(原平協)主催による原子力セミナーに参加した。原子力セミナ-では、文科省研究開発局研究開発戦略官の高谷浩樹さんが「もんじゅ」を取り巻く状況がここに至った経緯の説明をし、質疑を交えて丁寧に解説していた。

受けた印象は、もんじゅの存続に向けて孤軍奮闘とも言える現状が続いている。それほど厳しい状況にあると認識している。

ところで、政府は先月27日、高速炉開発会議(議長=世耕弘成経済産業相)の第2回会合を開き、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」や実験炉「常陽」で蓄積した知見を使えば「実証炉の設計は十分に可能」との見解をまとめた。

内容としては、フランスの「ASTRID(アストリッド)」など、国際協力については実証炉に向けた知見獲得の手段として活用するというもの。本当に実現できるのだろうか、フランスですら未知数の実証炉であり、まして他国にエネルギー、それも原子力の根幹部分を依存する今回の計画には、机上の空論でもあり、絵に描いた餅と私は受け止めている。

世耕経産相は「(もんじゅも含め)相応の知見が獲得されてきた」と述べ、実証炉の設計は十分に可能との見解を示した。また、国際協力についても「開発を効率的に進めるために有意義」とし、前向きに進めていく考えを示した。発言の裏では、もんじゅは、その役目を終えたような内容とも受け止められる。

政府は「もんじゅ」廃炉も含めた年内中の抜本的改革方針を年末にも結論をだすとのこと。トランプ氏の大統領就任により、米国のエネルギー政策がどう変化するか、保護主義、孤立主義が世界の潮流とするならば、資源のない日本でいかに確保するのか。プルトニウムなどはまさに準国産エネルギーであり、米国の原子力政策の大きな変更があるかもしれない。トランプ次期大統領は選挙戦で日本に核武装と語っていた。

日本は核武装することはまったくないにしても、エネルギー政策、とりわけ原子力政策、プルトニウムを持つことを米国の了解を得ながらやって来た日本にとって、大きな変化の兆しかもしれない。

これまでの日米同盟であれば、日本を守ることなど核の傘など米国に依存してきた防衛態勢など変化を余儀なくされ、エネルギーの確保も守られていたとも言える。それが変わるかもしれないとなれば、もんじゅの管理上の問題や財政面だけで廃炉を判断するのではなく、もんじゅの位置付け、存在価値は、国際戦略の中で、じっくりと考えるべきときではないか。

敦賀にとって経済、雇用はもちろん将来を左右する大きな課題であることはもちろん、もんじゅ存続、運転ができる自治体は、敦賀市をおいて他にないと言う現実だ。それだけに原子力関係閣僚会議や高速炉開発会議あまりにも拙速に結論ありきの議論に危機感を感じる。
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