6年前のタイガーマスク現象と白梅学園(敦賀市)
Date2016-12-10(Sat)

漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人の名前で、図書カードやぬいぐるみなどの贈り物が敦賀市内の乳児院・児童養護施設「白梅学園」に届いたのが5年前。

全国的な社会現象となった「伊達直人」が福井県内に現れたのはこれが初めてと記憶する。6年前のクリスマス、群馬県の児童相談所に漫画タイガーマスクの主人公「伊達直人」の名前でランドセルが10個届いた。これを皮切りに全国の児童施設に同じ名前でランドセルが続々と寄せられた。

この「タイガーマスク現象」の先駆けとなった人物が名前と顔を公表した。群馬県に住む43歳の河村さんで、「僕が表に出ることで社会的養護を再認識してもらい、支援の拡充につながってほしい」と公表の理由を語っている。

タイガーマスクは1960年代後半から70年代にかけて漫画とテレビアニメでヒットした。力道山のプロレスで育った私も好んで読んだ漫画のひとつだ。主人公の伊達直人は施設で育ち、トラの覆面をかぶるレスラーとなってファイトマネーを出身施設に寄付する。河村さんは漫画に共感してこの名前を使ったという。

敦賀市の白梅学園も多くの子供が育って社会に出てりっぱに働いている。少子化のおり、入所者が減らない乳児院・児童養護施設「白梅学園」に、年一回の寄付を市内の労働団体「ゆうあい倶楽部」が行っている。40年近く、この活動が続くが、毎年、話を伺うと入所理由が変わってきた。

白梅学園で話をお伺いするが、問題が年々、深刻化している。入所者の背景に潜むのが、児童虐待だ。ここ10年でも2割から3割アップというデータもある。

虐待を理由に入所した子どもたちは、身体や心に深い傷を負うことも少なくないとも伺った。虐待を受けた子どもの入所が増えるに伴い、職員の負担も重くなっている。入所した子どもに対する「心のケア」は不可欠だが、現実は炊事・洗濯や学校との連携などに追われる毎日とも伺った。ここにも厳しい現実がある。行政がどこまで向き合えるか、今後も増えることが予想されるだけに深刻だ。昨日の議会の一般質問でもあった「いじめ」問題とともに、虐待問題も敦賀にもある。

また、河村さんは自らの育った境遇が、伊達直人になったように「支援したのは『ヒーロー』ではなく『普通の人』と知ってほしかった」と述べていた。淡々と思いを語る姿には、自分を飾るかけらもうかがえない。むしろ、子供への後押しが進まぬ社会と最近の虐待という社会現象への静かな怒りを感じさせるた。
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