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定額給付金における現場の苦労と効果の疑問
Date:2008-11-05(Wed)

市内のガソリンの値下がりが続いている。8月上旬レギュラーガソリンで180円台の半ばまで値上がりし、その後、原油価格下落に値下がりが続いている。昨日で、レギュラーでピーク時より50円程度安い130円台、ハイオクで140円台半ば、物価上昇の中でのひとつの光明か。

ところで、麻生太郎首相が追加経済対策の目玉として打ち出した2兆円の定額給付金。生活支援として全世帯に大盤振る舞いするというが、新聞で見る限り、評判はいまひとつだ。ここにきて所得制限を設けるとも、総選挙に向けた下心が見え見え。私が議員になり始めたころの1999年に小渕恵三内閣が配った「地域振興券」の失敗が、まだ記憶に新しいことも挙げられる。

給付金配布を押し通すのであれば、壮大な社会実験ともなった振興券の貴重な教訓がある。振興券は消費刺激の特効薬として、15歳以下の子どもを持つ家庭と65歳以上の低所得の高齢者を対象に、一人当たり2万円ずつが配られた。

調べてみると、新たな消費に振り向けられたのは旧経済企画庁のまとめで32%。振興券利用で浮いた現金の大半は貯蓄に回され、景気対策は空振りに終わったという事実だ。また、振興券は市町村や店側の事務の煩雑さも問題となった。敦賀市議会でもその取り扱いが議論されている。当時は、末端の市行政として、特別会計の設置と条例化も必要だった。

一方で現金だと即貯蓄に回る恐れもある。クーポンか現金か、給付方法も熟慮が必要だ。当時の敦賀市内の「地域振興券」の効果について、議会での河瀬市長答弁(99年6月議会)で「敦賀市におきましては、交付いたします対象者が1万7815人でございまして、本日まで交付いたしましたのが1万7705人、残りが 110人で、交付率が99.4%となっております。これを交付額に直しますと、一人2万円でございますので3億5410万円ということになります。

それから、現在までの換金でございますが、2億9640万円、率にいたしますと83.7%でございます。この中で、いわゆる大規模小売店、第1種の大型店に対する支払いの率でございますけれども29.8%、したがいまして大型店以外の支払いが70.2%でございます。いわゆるこの振興券が本当に地域の振興になったのかどうかという御質問でございますが、国会でこの振興券が取り上げられましたときには多くの議論が出たようでございますが、私たちが承知しているところではまだ国会等ではこの総括的なものの御意見も聞いておりません。

しかし、既に当市におきましては換金が83%でございますので、これは全国的にも恐らくこの程度の率になっているんだろうと思いますが、実質のところ経済効果云々はまだ少し先の判断になるのではないかと思っております。しかし、間違いなく3億円近い金が消費されたということでございます。」と、答えている。当たり前だが、換金率は市内でも高かったが、浮いた金は貯蓄に回ったようだ。

ネットで当時の裏話を調べると、支給総額は7千億円とされたが、実際の配布額は6200億円。予算上の使い残しが800億円にも上った。当時大蔵省は「お年寄りの人数把握を間違えた」と釈明したが、そんないい加減な計算でやっていたのかとあきれた、とある。

「4人家族で6万円程度」とされる今回の給付金配布の仕組みは未定。政府・与党は振興券のときと同様、子どもと高齢者に手厚くする方針だ。方針はいいが、現場の市町村は、事務が煩雑となることは確かだ。霞が関は仕組みを決めるが、末端は仕事が増えるだけだ。

また、振興券が景気のカンフル剤になり得なかったのは、購買意欲が比較的弱い層が支給対象になったためとの指摘もあった。生活支援か、景気対策か。狙いもいまだ不明。

その上、所得を把握するには事務手続きが複雑になり、公明党が強く求めている年度内実施が不可能になる可能性も強いとか。所得の上限ラインについても年収1000万円前後との案が出ているようだが、私には、「地域振興券」を経験した記憶がよみがえっている。今回の不況はそれほど生易しいものではない。

いずれにしても、予算化から地方を巻き込み配り終えるまでの時間がかかる。それまで解散しないとの麻生首相の延命ねらいか。定額給付金はもらう庶民には一時的にはうれしいが、現場である市町村行政を困らし、効果もないまま、「地域振興券」と同じ愚策に終わると思う。それ以前に、実現できるか、それも疑問だが・・・・。
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