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議会改革その2
Date:2008-11-16(Sun)

かつて訪れた街に三十年の歳月を経て降り立ったときの印象は、おそらく二種類あるのではないか。「ずいぶん変わったものだ」「昔のままだ」・・。三十数年ぶり、友人の敦賀の訪れの言葉も印象はふたつだった。

都市基盤の整備は進んだという。道路が格段によくなっているという。駅前、本町の商店街もシャッター街の一方で歩道、道路ともに整備されているという。本町の道路と直角の駐車場は、そのまま。観光の気比神宮、気比の松原はそのまま。二つの印象が、夜の本町と重ねて30年の月日をつなげた。

ところで、三十数年の懸案の国道8号敦賀バイパス19工区(同市坂下―小河口間2.7キロ)の開通式典が、昨日、午前中、19工区間の坂ノ下ジャンクションで行われた。工事着手から32年かけた同バイパス(同市田結―小河口間8.2キロ)の全線開通を祝ったものだ。敦賀市の岡山の交差点は、朝夕の慢性的な渋滞の場所でもあった。交通安全にも大きく貢献することも確かだ。ただ、田結―小河口までの敦賀市街地素通り。8号バイパスがない頃は、国道8号沿いの本町のラーメン店もトラックの運転手などで深夜までにぎわった。

フェリーが旧港に発着した時も、乗船客が待ち時間を利用して本町まで飲みに出ていた。時代は変わるというが、効率化は、一方で賑わいを自ら遠ざけているのかもしれない。

西川知事は「中京、関西から敦賀港にも直結できる」とも述べた。確かにそうだろう。効率化、便利さ、安全と、念願であった19工区が完成した。夕方、時間があったので、自家用車を走らせた。S字カーブのトンネルがふたつ、早速だが、小河口の合流点での渋滞。完成を喜びたいが、新たな課題も出そう。これは贅沢か。

次に、議会改革の話に移す。自治体の議決機関である議会は、行政監視機能も担っているはずだが、財政破たんした北海道夕張市は、その役目を果たしていないから破たんしたとも言える。予算は、議会が承認しなければ使えない、条例を決められるのは議会だけ。政策の中身を精査し、予算執行の可否を、責任を持って意思決定するのが議会という本来の役目がある。自治体には選挙で選ばれた首長がいて、行政権を執行しますが、それに対してチェック機能を果たすのも議会。しかし、実際には議会は、どちらかというと、行政に相談事を持って行ったり、口利きをしたりする世話役として、行政周辺をフォローする役目になっているのが現状ではないか。

現状の政治文化の中に、どっぷりつかっているから、どこの市議会も外側から行政をチェックを十分にできなくなっている。そうした議会の在り方を根本的に変えないと、第二、第三の夕張が出ないとも言える。まず、何から変えるべきか。

自治体の議会、特に本会議は極めて形式的な議事進行が行われていて、議員同士が論争することは、討論の機会はあるが、形式的でもある。実質的な審議は委員会でやっているとはいっても、そこでも行政担当者への質問がほとんど。議員同士の討論の時間があるものの、何が問題なのか、将来性など議論することなど、議員の情報不足、勉強不足も重なり、議員同士が討論して、物事を判断している仕組みをつくる必要がある。

うまく行政に話を通す人、口利きがうまい議員が多くなり、政策論争が全くできないようでは、チェック機能は果たせないことは確かだ。政策論争で鍛えられた政治家を生み出し、育てていくことが、しっかりした議会になる第一歩だと私は思っている。

討論能力がないと、それが、議会運営を形式的にしている場合が多いのではないか。議会の運営方法を変えるか、議員の質を上げるか、どちらも必要なことと考える。どちらかというと若手か、新人議員間での政策論争が光っていても、議会運営では、長老議員か、情報不足、勉強不足で、討論の質も高められない。議員が、率直に、本会議も含め、委員会で総括的に活躍の場をつくることが大事なことは確かだ。

国、県の財政破綻もあり、敦賀市も、自立的にものごとを判断する機会が増える。JR駅西開発など、これからの重要課題に対応するシステムをどう構築するか、地方議会もそれぞれが、独自で考え出した。

北海道の栗山町議会は、その改革の集大成として、平成18年5月18日に全国初となる「議会基本条例」を制定した。主な取り組みとしては、財政システムを理解できる議員となるための取り組み、提案権、修正権を活用することで監視型議会からの脱皮、議員が直接地域に出向き報告を行う「議会報告会」の実施、議員同士の議論の促進、理事者への反問権の付与など。

四日市議会は、平成17年1月に「自治基本条例」を市議会では全国初となる議員提案によって制定した。二元代表制の一翼を担う議会として、議員提案による活発な条例制定や議会の活性化、市議会モニター、シティ・ミーティングの実施により議会への市民参画を企画、正副議長選挙への立候補制の導入などだ。

今回、敦賀市議会の予算決算常任委員会の設置は、三重県議会が初めてだと記憶する。三重県議会は、平成18年12月に都道府県議会としては全国初となる「議会基本条例」を制定した。その主な取り組みも、全員協議会の一般公開、「県民ミーティング」の開催、執行部との協働によるプロジェクトチームの設立、「三重県議会改革推進会議」の設置など、どれも革新的で実行力を伴って改革が行われている。

中でも「三重県議会・予算決算常任委員会の改革」は参考になる。予算や決算を各常任員会や特別委員会で、議論し、それも追認型に、議員間の議論も深まらないまま、審査が進むことが多い現状を、予算決算を一括して通年、調査と審査ができる、それも将来に関する課題が、調査できる機関の設置は意味がある。いずれにしても、12月議会で審議後、来年3月議会から導入される予定。

自立的に敦賀市も運営が求められ、政策判断が正しいか、予算が、決算が妥当か、一括的に審査できる仕組みの議会改革は、敦賀市議会の歴史上も画期的な改革だ。

変わらないように見えても三十年の歳月。気比神宮、西福寺、気比の松原と歴史的自然遺産は、頑固に守りながらも、今に生き続ける敦賀市としての機能を高める政策を地道に進めていく仕組み、議会もある意味では変わりながら対応する姿勢は大事だろう。大げさに言えば、そこが千年を超えて栄えてきたこの町の底力を継続させる議会の仕組みではないか。
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