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桃栗三年柿八年
Date:2008-11-17(Mon)

敦賀市内の山間を自転車で走らせると、この時期、目に入るのが、枝に無数のヘタにぶら下がる柿。昔、温度差が大きい山の斜面ほど、甘くきれいに色付くと教えられた。故郷の讃岐、香川県は、柿畑がどこにでもあるほどの産地でもあった。それも工夫を重ねてのまさに「桃栗三年柿八年」だ。時間と苦労を重ねている。四国には、一度に16個も食べたという正岡子規の逸話も残る。昨日のどこかのコラムに柿の話が出ていたが、なぜか懐かしさを呼び戻す果物だ。

この柿畑も讃岐ではほとんどみなくなった。讃岐もご多分に漏れず農家の高齢化も進んでいる。柿畑で必要なのは、こまめなせん定、防虫のための幹の皮むきは楽ではないし、斜面で高い木にはしごを掛けての作業はけがをしやすいとか。木を低くするのも重労働だ。そうしてやむなく放棄される畑が増えている。もちろん、農家が指をくわえて見ていたわけではない。若い世代が好みそうな食感の品種を取り入れたり、袋をかけて木で完熟させたりと工夫を重ねているとか。結果には時間が必要だ。柿八年とはうまく言ったものだ。

ところで、「政局より政策」と力説して衆院解散・総選挙を先送りした麻生首相の「決意」が政府、与党幹部に伝わっていないのだろうか。そうとでも考えないと合点がいかない。政府、与党は第二次補正予算案をこの臨時国会には提出せず、来年の通常国会に先送りする腹づもりだという。二次補正は未曾有の不況に対処するために打ち出された追加経済対策の裏付けとなる予算だ。これがなければどんな対策も絵に描いた餅である。麻生首相は米ワシントンで開かれたG20の緊急首脳会議(金融サミット)で、日本の緊急経済対策について英語で胸を張って説明した。

「日本としてできることは全部やります」と。百年に一度ともいわれる大不況を乗り切るには追加の経済対策が不可欠だ。この点で日曜のテレビ対談をみる限り、与野党の認識は一致している。政策に自信があるのなら、真っ向勝負を挑むべきではないのか。追加対策の目玉となる「定額給付金」は、歓迎されるどころか地方自治体などから袋だたきにされている。野党からは白紙撤回を求められるありさまだ。与党が仕切り直しをしたくなるのも無理はない。

しかし、解散・総選挙に続いて、二次補正も先送りでは、臨時国会を開いた意味がない。政府と国会の責任放棄も極まった感がある。政治の足取りがこんなにふらついていては、景気回復など望むべくもない。「政局より政策」の言葉だけが躍り、肝心の政策は政局に引きずられて一向に動かない。首相が唱える「政策最優先」が解散回避の口実だったとしたら、あまりにも不毛だ。

首相も「政策」というなら、国民の多くが疑問を投げ掛けている「定額給付金」は再考する。雇用不安をこれ以上増大させないために思い切ったセーフティーネットを張る。消費を促す大規模な減税を行う。こうした目に見える「政策」にスピード感を持って取り組んでもらいたい。

現場の選挙対応も大変だ。ここでは「政策より政局」だ。長期戦も視野に入れる。せっかく開いた事務所をどうするか、24日には岡田元代表を越前市に、来月14日には、小沢一郎代表を敦賀市へと。頭が痛い日々が続く。

昨日の新聞日程欄で河瀬市長の米国出張。「なぜ?」とある市民からメールが飛び込んで来た。「『命のビザ』の当事者と会うため」と返事しても、市民には遠い話に聞こえるらしい。「景気と雇用がいまどうなっているのかわかってるのか」と。メールの主は、建設関連で今、仕事がない。厳しい環境の中にいる。

地方の景気と雇用は、待ったなしだ。敦賀もその環境下に違いがない。それでも、柿の木には、来年の芽が出ている。気長な「柿八年」精神も必要か・・・・。
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