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エネルギー研究開発拠点化の現実と将来

Date:2019-02-18(Mon)

先日、敦賀市の人口減少を鯖江市と比較したが、人口増加の原動力とも言えるひとつの柱である高速炉開発の先送りの影響は廃炉作業はあるにせよボディブローのように時間をかけて影響を及ぼすことは明確だ。

ところで経済産業省は昨年末、高速炉開発会議で高速炉の戦略的ロードマップをまとめた。

本格利用が期待される時期として、21世紀後半になる可能性を明記。直近の約10年間は、(1)競争の促進(2)技術の絞り込み・支援の重点化(3)開発課題と工程の検討――の3段階で開発を進めるとした。

現実はどうだろう。再処理の目処もたたず、高速炉開発の先送り、今後、敦賀市の高速炉の関わりなどまったくない。裏返せば、米国とのプルトニウム利用の権利を確保するための作文の戦略的ロードマップとも言える。

戦略的ロードマップでは「21世紀後半のいずれかのタイミング」において高速炉を本格的利用(実用化)することを考えて開発を続ける、としている。

一方で、もんじゅ廃炉決定の際に力点をおいて敦賀市議会で説明していた、フランスが建設を予定している高速炉アストリッド(実証炉)への言及がまったくない。これまでは、もんじゅがなくてもアストリッドを使って共同研究すれば、もんじゅ廃炉でも技術継承はできるとした。

アストリッドも費用の高騰などで建設判断が難航していると伝えられている。日仏協力はするが、アストリッドを日本の計画に明確に書くのは避けたのだろうが、原型炉もんじゅの技術継承などの言及もない。

先送りするだけでなく、国、メーカー、国の研究機関、電力会社が協力して、もう一回、適切な炉概念から考え直そうとしている。原型炉もんじゅまで積み上げられた高速炉開発を初期段階から練り直しともとれる。

なかでも、もんじゅ廃炉の際に求めた高速炉開発に貢献した敦賀市の今後の役割など示す言葉もない。

高速炉開発を含む核燃サイクルの実現は先送りというよりも崩壊しつつあるといっても過言ではない。

福井県が進めていたエネルギー研究開発拠点化計画のなかで、敦賀市にある若狭湾エネルギー研究センターや福井大学附属国際原子力工学研究所の役割も中核であるもんじゅを失ったことで見直さざるを得ない。

もんじゅの廃炉作業が進む中で、ボディーブローのように、人口維持や雇用のひとつの柱を失う結果が見え始めたといっても過言ではない。

言葉は悪いが、もんじゅ廃炉の見返りとも言える試験研究炉や水素社会実現に次の活路を見出だすにしてももんじゅ事業とは規模も違い、これも不透明なままだ。




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