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長期的な視野が必要な医療環境整備
Date:2009-01-27(Tue)

議員になって、病院の苦情や要望が、多い。それだけ、医療の市民ニーズは、最重要の課題であることは言うまでもない。全国的に地域医療の中核を担う市立病院の環境が、診療報酬見直しや医師不足など、自治体病院がいくらがんばろうともどうにもならない現状がある。

極端な例は、夕張市に限らず、公立病院の七割は赤字。都会である千葉県銚子市や大阪府松原市では昨年、医師不足とそれに伴う経営悪化で市立病院の休止や廃止決定を行う深刻さだ。

市立敦賀病院も内科医6人が一挙にいなくなるという状況や風評も重なり、一般会計からの繰り入れも増加の一途であったものを、市長、院長、事務局長の努力により、医師の増員とともに、V字型とはいわないが、経営状態も回復の兆しにある。 

もともと市立病院は救急や感染症治療、産科、小児科など採算性の難しい診療科を抱え赤字に陥りやすい。民間では敬遠されがちなリスクのある患者も受け入れる。それゆえに地域の安心のよりどころとなっている。

県内では今のところ、廃止の動きはないものの、嶺北の県立病院をはじめ、それぞれに厳しい環境にある。県都である福井市は赤十字、県立、済世会と大病院が整う。高速道路で1時間もかかる敦賀市における医療環境は、トップレベルではなくとも、それなりに整えておくことは大事だ。国立福井病院の医師の減少、市内の開業医の高齢化など課題も多く、将来をにらんだ対策も大事だ。

繰り返しにもなるが、医師不足の原因は、医学部定員を抑制してきた国の政策や、長時間労働など過酷とされる診療科に対し医師の志望が減ったことなどが挙げられる。これに、5年前に導入された新医師臨床研修制度が拍車を掛けた。それまで新人医師は主に出身大学、敦賀で言えば、金沢大学の医局で研修を行っていたが、新制度で研修先の選択肢が広がり、条件のいい病院を選ぶようになった。その影響で大学病院は不足する医師確保のため、富山から末端の敦賀までの公立病院に派遣していた医師を引き揚げたからだ。

国は昨年、「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめ、同制度の見直しと医師養成数増加などの対策に着手。医学部の定員は従来の1.5倍を目指し、臨床研修二年のうち一年間を将来専門とする診療科で研修させ、事実上の働き手とすることを検討している。そうはいっても、効果は10年かかる。整備された嶺南地域の奨学金制度も10年後をにらんだものだ。

さらに全国的に不足が伝えられる産科や小児科、地方医療などに医師が魅力を感じるような手当の支給、交代勤務制などによる勤務環境の改善などについて、財政上の支援や診療報酬上の措置もまだまだ十分とはいえない。

市立敦賀病院は言うまでもなく、地域医療の中核、その安心の柱だ。それだけに自らの努力も必要だ。議会にもこの30日に中期経営計画が説明される。今後の中長期的な経営施策の指針となる。

医療分野は複雑なことも多く、舞鶴市立病院の崩壊は、市長発言が引き金となって始まった。医療知識の少ない議員も要請や要求ばかりでもダメなことはいうまでもない。医療ミスもあるだけに、軽々に発言するものでもない。当然ながら医師確保と同時に、医療経営の専門家の育成も長期的視野が必要なことは言うまでもない。

看護師確保の観点で、敦賀市立看護学校も短大化の検討中だ。倍率が年々下る中で、どう息の長い魅力をつくりだすか。12月議会で明らかになった助産師などの増設も検討されている。市の一般会計の支出が伴うだけに、今やるべきものと長期的視野で取り組む課題を考えた対応も必要だ。

この分野では議会でもかなり発言してきたが、勉強すればするほど、難しい分野だ。幸いいい方向に動き出しただけに、関係者の努力を見守りたいと思っている。
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