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禁煙条例にみるリーダーシップ・・・。
Date:2009-02-24(Tue)

「今朝、立山に雪が来た(中略)今日から・・・納棺の仕事を始めることにした」。こんな書きだしの青木新門著「納棺夫日記」を読むと暗いというよりも引き込まれた。四国の風習か、どうか知らないが、家族全員が、納棺師の指導を受けながら、遺体をきれいにし、白装束をつけていく。そんな父や母をおくる体感は、いまもしっかりと覚えている。不思議な体感だ。

華やかなアカデミー賞受賞の感激は誰もが同じだが、作者の出身地、富山の雪の立山を浮かべると、なぜか、これほど日本的な風景はない。その富山の銘酒「立山」は、冷やで美味しいが、雪をかぶった本物の立山は、この時期、特に美しい。映画の原作、北陸の雪の風土、親鸞の教えとも、そして金沢の眠る父と重ねている。

書き出しがかたくなった。さて、3月議会というか2月議会というか、3月定例会が明日から始まる。予算決算常任委員会を導入したので会期が通常よりも長くなる。当初予算の議案書を読むだけで頭がパンパンになる。それも仕事と割り切る。ところで、神奈川県議会で全国初となる屋内での禁煙条例案が提出された。

神奈川の松沢知事が制定を打ち出し、約2年間議論してきた。各種調査やアンケート、現場訪問、意見交換会なども積み重ねてきた。パフォーマンスといわれながらも地道に自分の考えを貫いての結果だ。

また、逗子市などの神奈川県下各市も禁煙条例がある。視察もし提案も考えたが、まだそこまで福井県も敦賀市も成熟していないとの結論だ。レジ袋有料化と同じで運動と世論の高まりがなければこの種のものは進まない。

地方分権ならではの議論の積み重ねだ。その分、反対も多い。神奈川県独特の自治の息吹が感じられる。県知事だけの発案でもない、各市も実行に移しての積み重ねが土台にある。

当初案では、多数が出入りする施設内を全面禁煙としていたが、飲食店などの反発から一部分煙を認めた。病院、学校、官公庁などに禁煙を義務付け、飲食店や宿泊施設などは禁煙か分煙を施設側が選択する。このうちパチンコ店や床面積百平方メートル以下の小規模飲食店は努力義務にとどめた。違反には罰則規定も盛り込んだ。

条例を話し合う県民集会やミニ集会も頻繁に行っている。県民意識の醸成にも気を配っている。全国初だけに関心も高い。たばこの全面禁止は米国や欧州では一般化している。とはいえ、アジアはまだまだ。ましてや、旅館や喫茶店の経営者からは喫煙者の客離れを懸念して「断固反対」といった意見は多い。レジ袋有料化のコンビニと同じだ。

神奈川新聞によると、松沢知事の合言葉は「神奈川から日本を引っ張る」といい、議会は「知事のパフォーマンスだ」と批判もあり、条例成立は微妙な情勢とか。それでも民意を醸成し積み上げていく姿勢は県民に頼もしい存在らしい。大阪の橋本府知事のリーダーシップもさることながら、松沢知事の手腕もなかなかだ。地方自治は今そんな時代かもしれない。
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