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万引きから見える世相と貧窮(ひんきゅう)
Date:2009-10-26(Mon)

昨日は、早朝、沓見、夢街道と自転車を走らせ、途中、「市場で朝市」を訪ねた。8時前から盛況だ。天気がいいと市内各地の朝市の人気は根強い。何よりもいいのは安いことだ。地元の野菜や生鮮品、へしこ、にしんずしと生産者直結の品が多い。生産者と話しながら買うのは楽しい。9時半から青少年市民会議創立30周年記念式典では、非行の原因が「戦後の困窮の時代から変わってきた」との話が籠会長からあり、昼からは福井で民主党の常任幹事会、夕方、武生で3区総支部の幹事会と続いた。新幹線問題も財政、財源がキーポイントだ。

ここで、先日の話を続けるのは恐縮だが「万引き」の件で、福井県警のデータを調べきれなかったが、警視庁によると、08年の東京都内の検挙・補導者数は1万2695人で、99年に比べ2.3倍に増加。65歳以上の高齢者が占める割合も6.0%から22.6%に上昇し、少年の25.8%に迫っている。全国的にも同様の傾向にあり、99年は検挙・補導者9万6256人のうち高齢者は10.5%だったが、08年は10万8307人のうち24.9%が高齢者だった。

その動機が「孤独」が23.9%で最も多く、約半数が「相談できる相手がいない」「生きがいがない」と答えた。万引きをした高齢者が孤独を抱えている実態が浮かび上がる。

一昨日も書いたが、エコバッグに商品を詰め込み、レジをすり抜けようとする。レシートを見せるように求めても「捨てた」と言い張る。エコバッグが普及してから目立つとか。ただ、相談をするように突っ込んで事情を聞くと、「生活費にも困っている」というお年寄りも増えているとか。

お金に困った状態を「貧窮」という。「貧」はお金を示す貝を分けると書く。分ければ少なくなって乏しくなる。「窮」は穴の中で弓を引いている姿を表す。狭くて身動きがとれないから、貧よりもっと苦しい状態とか。万引きの動機がそれだとしたら深刻だ。

私の中には、まだ「一億総中流」と言われた時代が染みついているが、実態はどうもそうではないらしい。バブル以降20年、気が付けば日本はかなり貧しくなっていた。この敦賀でも実情は同じようだ。新聞にも書かれたが、厚労省が先ごろ、2007年の相対的貧困率を15・7%と発表した。所得が一定水準以下の人の割合で「7人に1人以上が貧困」というそうだ。敦賀でも、高齢化と重なって、実態は格差が拡大していることが、スーパーの店員の話からも伝わってくる。

鳩山新政権は、家計を直接支援する「子ども手当」などを来年度予算に盛り込む。生活保護の母子加算復活も決めた。マニフェストの「生活が第一」の格差是正が、真水の「処方せん」だが、私は、国の財政の窮乏ぶりも気になっている。

不況で税収は減り、このままだと新規国債発行が50兆円台になる可能性も。圧縮したいが、しすぎて景気失速も怖い。財源難という「貧窮」の話ではないが、窮屈な穴にはまって身動きが苦しい。弓を引くにも難しい現状だ。

貧窮の話ばかりしても駄目だが、参考になるのは、「天地人」の直江兼続の話。100万石から30万石に減封され米沢に入るが、家臣をリストラせず召し抱えたままで、約3万人が米沢に移した。兼続は他国に頼らず、食糧難や経済危機を乗り越えるため、農地開拓や治水に力を注ぐ。「民こそ財産」が信条だった。兼続の真骨頂は、人生の逆境、人生の下り坂で足跡を残したことだ。

敦賀も高齢化、人口減少と峠を越えている。敦賀のまちづくりも、万引きの世相に見える自治体としての社会保障費増大とどのようにバランスさせるか、窮屈ななかで、じっくりと将来をにらんで弓を引く工夫がほしい。
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