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高速増殖炉もんじゅの再開、再処理工場の完成、使用済み燃料貯蔵センター準備工事と、リサイクル事業が、各地で頑張っている・・・・。
Date:2010-04-16(Fri)

春は気まぐれだ。春の嵐というのか、黄砂と共に、屋根が吹き飛ぶほどの強い風が吹き荒れた。一昨日より青森県の下北半島にいる。交通機関の運休が相次ぎ、一度は着陸を試みたが強風のため、再浮上し、再び着陸に再挑戦、何とか三沢空港に無事到着。小雪が混じる気温2度の本州最北の寒さでもある。敦賀市と10度を超える寒暖差に強風はこたえた。私にとって、この地は35年前、原子力船「むつ」と対面した場所でもある。

春の天気はもともと安定とは縁遠い。「花冷え」は晩春の季語。それにしても…と思うのはことしの状況。例年にも増して不安定だ。

ところで、原子力発電所から発生する使用済燃料は、現在、ふたつの道をたどることとなっている。ひとつは青森県の六ヶ所村にある再処理工場。もうひとつは、再処理工程に時間がかかるので、それまでの間、貯蔵する中間施設へなっているが、まだ、建設準備段階だ。そのふたつの施設の現状をつぶさにみる視察でもあった。

完成をまじかにひかえた六ヶ所の日本原燃の使用済み燃料の再処理工場は、小雪交じりの強風の中で迎えられた。現在、日本原燃の副社長を務める平田氏は、元関電の美浜所長だ。敦賀のスナック「芹」の閉店まで知っている。再処理工場は、現在、最終段階で、高レベル廃棄物のガラス固化体を製造する試験過程で苦しんでいる。溶融炉内にれんが落ち、固まった状態。それも放射能が高レベルだけに遠隔操作が要求される。まさに手探りの状態が続いている。

日本原燃は当初、れんがの回収を12月に予定していたが、工場内に高レベル廃液が漏れた影響により延期。その後、3月中の回収を目指したが、炉の温度を上げるための確認作業に時間がかかり、約4カ月の遅れとなった。原燃は今後の作業工程の短縮を見込めるため、試運転終了を10月とする計画に影響はないとしている。

日本原燃は、ウラン濃縮、再処理、廃棄物の貯蔵と原子力発電の周辺のリサイクル事業を、商業利用を目的とし、電気事業連合会(電事連)所属各社(沖縄電力を除く)と日本原子力発電の出資により、1980年に日本原燃サービス株式会社として設立、1992年に日本原燃産業株式会社と合併して現社名となった。当初は青森市に本社を置いたが、現本社は工場に隣接した青森県六ヶ所村にある。規模としては、青森県においては最大の企業であり、資本金で比較すれば、資本金2000億円は2位の青森銀行の16倍である。原子力リサイクルの中核の中核を担う会社だ。

次に、訪れたのは、使用済み燃料を貯蔵する中間施設の建設予定地のむつ市。経緯は、1999年6月に原子炉等規制法が改正され、原子力発電所構外に使用済燃料を貯蔵することが可能となり、2000年12月東京電力がむつ市において「リサイクル燃料貯蔵センター」の立地に関する技術調査を開始。2003年6月、当時のむつ市長であった杉山粛市長は「リサイクル燃料備蓄センター」の誘致を表明し、翌7月に事業者に対して要請を実施した。

2005年に青森県とむつ市は建設を了承し、事業者である東京電力、日本原子力発電との間で「使用済燃料中間貯蔵施設に関する協定書」を結んで、事業が急速に動き出した。使用済燃料にはまだ使えるウランやプルトニウムが約97%残っている。

現在、日本では54基の原子力発電所が稼動しており、年間約900~1,000トンの使用済燃料。一方、六ヶ所村で2010年の操業開始に向けて建設が進められている再処理工場の処理能力は年間最大800トンであり、差し引き100~200トンずつ使用済み燃料こと、リサイクル燃料を貯蔵していく必要から今後、重要な事業でもある。再処理するまでの間、安全に貯蔵・管理しておく施設が「リサイクル燃料備蓄センター」でもある。これが現実化するように建設準備が着実に進んでいる。

使用済み燃料を受け入れるむつ市関根浜港には、原子力船むつの原子炉が眠る。かつてのむつの中央制御室が展示館に保管されている。懐かしいの一言だ。昭和49年9月放射線漏れを起こした原子力船むつ、1カ月間、港に帰港できず陸奥湾を浮遊していた。朝もやの中で紫のむつ船体は、小さく木の葉のように揺れていたことを昨日のように覚えていた。

話を春の天気に戻すと、天気の「ウェザー」を動詞として使えば、荒天に「耐える」、危機を「乗り切る」という意味がある。船が嵐を乗り切るときの動詞として、商船大学時代に教えられた単語の意味でもある。野球の投手がピンチを切り抜けるときもウェザーを使う。それは逆風に立ち向かうときの雄々しい言葉なのかもしれない。

高速増殖炉もんじゅの再開、再処理工場の完成、燃料貯蔵センター準備工事と、リサイクル事業が、確実に現実化する中で、課題は多いが、資源小国のかじを取り、荒波を「ウェザーする」ことができるか。各地域で寒さと強風の中で、仲間が頑張っている、そんな光景をつぶさにみた視察でもあった。
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