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道路が街を変える。
Date:2010-05-06(Thr)

今年のゴールデンウイークほど、好天に恵まれたのも珍しい。外出する人が増え、各地の観光地やレジャー施設は、にぎわっているようだ。その大型連休が終わった。千円効果ではないがどこの高速道路も渋滞の連続。パーキングはどこも連日、いっぱいだった。

私が注目したのは、「道の駅・藤樹の里あどがわ」。滋賀県高島市の国道161号沿いにある道の駅。施設の一部は国土交通省ではなく、高島市が管理する。名称はこの地域出身の儒学者(陽明学者)中江藤樹と安曇川に由来する。高速道路ではないが、連休中、相当の賑わいで、駐車に困るほどの混み具合だった。

話はそらすと、中江藤樹は、高島市の生まれだが、縁あって米子藩、大洲藩と勤め、竜馬より二百年も前、相当の覚悟で母のため、脱藩して晩年、近江に帰って塾を開いている。説く所は身分の上下をこえた平等思想に特徴があり、武士だけでなく商工人まで広く浸透し「近江聖人」と呼ばれた。近江商人こと高島商人の土台ともなっている。

話をもっとそらすと、中江藤樹の「藤樹学」は、遠くは、会津盆地北部のラーメンで有名な喜多方まで影響し、会津の武家文化に対して喜多方は町民文化を育み、藤樹の教えが、庶民の実践道徳と商人感覚を育んだとか。

話をぐっと戻すと、ご存じ、滋賀県高島市は、敦賀市とはもはや隣人同士。県境イコール、市の境でもある。琵琶湖の西部に位置し、平成17年1月1日、マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町の5町1村が合併し、新市高島市として踏み出したところ。

長々と前置きしたが、高島市のそれぞれの観光協会が、「道の駅藤樹の里あどがわ」 、「道の駅しんあさひ風車村」 、「道の駅くつき新本陣」、「道の駅マキノ追坂峠」を管理する。それほど産業のない高島市にとって、重要な観光の拠点でもある。なによりも地域の雇用の場となっているところに注目したい。地元の物産販売はもちろん、観光案内から教室など長く滞在させる工夫もしている。

道の駅は、平成5年より、道路管理者と協力して、本来は休憩所であるが、地域の雇用の場でもあることは、もちろん、地域の特産物、情報発信の場となっている。福井県にも、8つの「道の駅」があり、河野、九頭竜、パークイン丹生ヶ丘、名田庄、みくに、若狭熊川宿、さかい、シーサイド高浜 でどこも、連休中、賑わったことはいうまでもない。

ここまで話を進めたのは、敦賀市は交通の要衝といいながらも、「道の駅」の誘致には無頓着というか、計画はあったものの、費用対効果などから、進まなかった。ところで、さかな町や昆布館、小牧の賑わいと雇用は、敦賀インターチェンジの存在と切っても切れない。舞鶴若狭自動車の敦賀接続は、この流れを大きく変える可能性がある。

平成26年に敦賀まで接続で完成する舞鶴若狭自動車道は、小浜、若狭など一部の観光地への観光客の集中、敦賀素通り、逆に神戸や大阪などに買い物に出かけるストロー現象と、地域のメリットは便利さだけで、地域経済には、逆効果になる可能性もある。

そのころ、高速道路は無料かどうか、別にしても、ドライバーが敦賀南部インターなど寄り道する仕掛けづくりなど、知恵をめぐらす必要があると思う。南部インターについては調査、検討中で、概要、詳細はまだ知らされていないが、パーキングとスマートインターの組合せによる「道の駅」的な要素を取り入れる仕組みが大事ではないか。また、161号と8号線の交通量を比較すると、161号の交通量は大きく、結節点である愛発小中学校の利活用など、検討の余地はありそうだ。「道の駅」的な発想が、国土交通省の試みとはいえ、意外に地方が拠点で活性化している。

JR直流化、北陸新幹線と鉄道には関心が強いが、自動車で訪れる人を受け止めることへの関心は少なかったように思う。中心市街地活性化計画の相生、蓬莱の開発で駐車場は二の次、三の次だ。交流都市「敦賀」を訪れる観光客の6,7割が車を利用し、発電所など、仕事で訪れる作業員の大半は車で敦賀を訪れている。フェリーも当然、車での移動だ。いくら低炭素社会と言っても、車社会が当分続くことのには、変わりがない。

車と街の変遷はこれまで顕著だった。フェリーの旧港から新港への移動は、敦賀の街の賑わい関係している。8号バイパス完成は、8号線の東浦にある各店の賑わいを奪い閉店にまで追い込んでいる。バイパスや高速道路は、便利さや安全を提供するが、本町など中心市街地の賑わいを奪った。道路が人の流れを変え、街を変えてきた。車を止め、それが雇用や活性化につながる。

今日は、14年ぶりにもんじゅの制御棒が抜かれる。原子力発電所は、現在、敦賀の基盤産業となった。建設業など広がりは見せたが、製造業などへの広がりは今一つだ。人口減少も始まった。冒頭の中江藤樹ではないが、庶民感覚で、道徳観をもった商魂たくましさで、雇用の広がりを考えながら、住みよい街にするためにも、道の変遷に敏感に、それも利用できる工夫を持ちたい。
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