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「ちりとてちん」と塗り箸
Date:2008-03-02(Sun)

NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」が、ようやく大詰めを迎える。毎回とはいかないが、ついつい見てしまう。ドラマの内容も笑いあり、ペーソスあり面白い。「あの小浜弁はなっとらん」と悪口を言いながら、同じ地方としては、なぜか許している。

ちりとてちん効果というか、最近ではオバマ効果も加わり、小浜は、明るい話題が多い。若狭松下の撤退など人口減少と高齢化が進む小浜市が少しでも元気なればと思うのは、私だけでもないはずだ。

特に、元気を取り戻したのが、若狭の「塗りばし」。仕事部屋がよく映るので、はし作りに興味を持った人も多いだろう。貝殻などを散りばめ、漆を何度も塗り重ねる。磨きをかけると輝きを増し、まさに芸術品だ。全国生産の8割。職人気質も大阪人らしい設定。職人だった祖父のベテランの米倉斉加年演じる名工の言葉は味わい深い。「人間もはしとおんなじや。研いで出てくるのは塗り重ねたもんだけや。」と、職人言葉が耳に残っている。

塗りばし人気は、東京や名古屋のデパートからの注文でわかるとか。番組以前に比べ数倍とか。まさに「ちりとてちん」効果だ。環境意識の高まりで、身の回りの自前の塗りばしを持ち歩く「マイはし」派も増えた。環境問題でこだわる、同じ仲間の坂井市の副議長が、さりげなく背広の胸ポケットから取り出す様は、いつも感心してみている。

はしの持ち方一つにも、その家のしつけが現れると同時に文化でもある。はしは、日本文化そのものだ。私の出身地、香川県の讃岐うどんと「割り箸」は、きっても切れない。どちらかというと、塗りばしだとめん類は食べにくい。こだわる人はこだわるのである。我が家では毎朝食べる「讃岐うどん」は、「塗り箸」でもなく、「割り箸」でもなく、毎回洗う「木の箸」だ。

一方、その影響でもないが、日本の割りばし業界は、窮地に立っている。値段も物量も合わないとか。中国からの安い輸入品に押され、一部の高級品以外は風前の灯とか。林野庁の調査によると、06年の生産量は13年前に比べ89%減少。もはや、存在することすら奇跡とも。

業界の方、曰く『使い捨ての代表のように考えられがちの「割りばし」だが、もともとは「もったいない」精神の産物である』と言い切る。『森林から切り出した木を捨てるところなく利用しようと、間伐材や端材を使って商品化したのが始まりで、現にそうしている』というのだ。さらに、『林業は環境産業だ。ところが外国では大量伐採で、日本では逆に伐採が進まず放置されて環境が悪化している。人間が手を入れたところに手をいれられない、いれなければどうなるか。現実を忘れては困る。日本の割り箸と輸入の割り箸をいっしょにするのは、どうか」と切実な話だ。

私は「マイはし」派をけっして否定しているのではない。むしろ運動として、推進すべきとも思う。割り箸は、ゴミの量からすると相当な量になる。それも輸入材は、日本への輸出目当てで森林伐採とも聞いた。日本材と輸入材の違いも分かるはずもない。かく言う私も「マイはし」を持っているが、洗うたびに忘れる・・・。

目くじらを立てることでもないが、森林伐採、森林破壊は、割り箸ばかりではない、環境問題も加わり、深刻であることは確かだ。今回のNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」は、伝統文化の大切さや職人気質、落語の面白さ、環境問題等、教えてくれた。何よりもご当地の映像効果は大きい。それも天下のNHK放送だ。3月で終わるのが寂しい気もする。次は、オバマ効果か・・・。
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