FC2ブログ
豊島のごみ問題調停から10年、敦賀の違法発覚から10年
Date:2010-06-07(Mon)

瀬戸内海に浮かぶ小さな島、香川県・豊島。産業廃棄物問題で、長年にわたって業者の不法投棄を見逃した香川県が住民に謝罪し、完全撤去を約束した公害調停の成立から昨日で10年を迎えた。豊島の人たちでつくる廃棄物対策豊島住民会議が地元の小学校の体育館で記念集会が開かれた。集会では、まず、調停の申請人となった豊島の人たち549人のうちこれまでに亡くなった200人以上の冥福を祈って全員で黙とうを捧げたとか。島の人口も約1千人、この10年で3割減った。時間の流れは速く、高齢化率も50%を超える。瀬戸内海に浮かぶ小さな島々は、どこも限界集落とも言える状況で悩み続けている。

調停にかけた島民の苦労は相当なものだった。デモ行進や100カ所超える香川県内での座談会など膨大なエネルギーを傾けて世論に訴えた。弁護士費用や交通費もボランティアも含まれるが相当のものだった聞く。島民の叫びと島を守ろうとする思いは全国を、国を動かした。その後の廃棄物行政に大きな転機ともなった。大量生産、大量消費型社会に警鐘を鳴らしたことも確かだ。

私も豊島には個人で、会派の視察と、調停前一回、調停後3回の計4回ほど豊島を訪れている。豊島事件の調停は、敦賀のごみ問題解決に向けての大きな転機となったことは言うまでもない。

どこを起点とするかは、難しいが、公式的には、豊島の調停が整った同じ6月、福井県の当時の担当課長が、敦賀市議会に対して違法状態を説明して問題が発覚して、10年がたつ。ところが、福井県は、同じ6月、新たに30万立方㍍の増設を認め、水処理費用4億円を積み立てさせるとの対策案を発表。敦賀市議会は、意見書を出して反発した。その後、私も属した「木ノ芽川連絡協議会」が同年8月25日、厚生省(当時)に要請し、厚生省からは、「違法増設を適法にはできない」との答弁があった。これも福井県を動かす大きな転機となった。その後、福井県は、廃棄物の搬入は停止、9月にキンキ社と幹部を廃棄物処理法違反(無許可増設)で県警に告発(地検は02年11月に「県は関与していた」として不起訴処分)と急展開へと進んだ。
 
2008年、恒久的な環境対策工事が始まった敦賀市樫曲の民間廃棄物最終処分場。すぐそばを流れる木の芽川は、その水系から生じる地下水が市民の飲み水にもなっている。だが、処分場より下流にあたる流域では、自然界には存在しないビスフェノールAなどの化学物質がいまだに、ごく微量ながらも検出されている。

対策工事は、処分場とその周辺約21ヘクタールを、地中の岩盤まで到達するコンクリート壁や防水シート、アスファルト舗装で囲い、埋め立てられた廃棄物や汚水を外部と遮断する。また、汚水処理施設を設け、内部の汚水を長い年月をかけて浄化していく。県が国から補助を受けられる特定産業廃棄物特別措置法の適用対象事業で、時限立法である同法期限の2012年度までにハード面の整備を終える計画だ。

処理された水質は、安全基準を満たし、安定した状態が続いている。ただ、汚水の完全浄化にはどれだけの時間を要するのか不明でもある。全国でも例のない対策工事だけに、今後も、水質検査や検証を怠ってはならない。

豊島事件に話を戻すと、全国最大規模の不法投棄事件である。当初、約50万トンと推計されていた産廃は、最新の調査では汚染土壌と合わせ約67万トンに達する。隣の直島の中間処理施設に運び、溶融処理が進んでいるが、進ちょく率は55%程度であり、ゴールはまだ遠い。

産廃は1970年代から90年まで全国各地から運び込まれた。多くは自動車の破砕くずだった。敦賀に搬入されたごみの多くはこの「シュレッダーダスト」だ。シュレッダーダストとは、自動車を破砕し、金属などを回収した後に、産廃として捨てられるプラスチック・ガラス・ゴムなど破片の混合物で、水銀・鉛・カドミウムなどの重金属や有機溶剤等を含み、環境汚染の可能性が高いため、96年から、管理型処分場に埋立処分することが義務付けられいる。

廃棄物処理法は改正を重ね、100万円だった不法投棄の罰金上限は今年5月に3億円に引き上げられた。家電や自動車などのリサイクル法整備も進んだ。だが、不法投棄は後を絶たない。環境省によると新たな不法投棄は最新のデータがある08年度で308件も見つかっている。

数年前になるか、池の河内にトラックのタイヤが10数本捨てられていたことなど、テレビ、冷蔵庫などの家電の不法投棄は後を絶たない。行政や地域が監視を怠れば、不法投棄はどこでも起きる。さらに、社会全体でごみ排出抑制の取り組みを進めなければならない。敦賀市民のごみ搬出量は、わずかながら全国平均、福井県平均よりも多い。
スポンサーサイト



【2010/06/07】 | ページトップ↑
| ひとことトップ |