高速増殖炉「もんじゅ」や菅政権の目指す「第三の道」
Date:2010-06-12(Sat)

高速増殖原型炉もんじゅが14年5カ月ぶりに運転を再開して1カ月を超えた。3年後の本格運転開始に向け、試験運転を続ける。試験は順調に進んでいる。毎日のようにトラブルが伝えられるが、原子炉が「臨界」という正常に動く状態にあると確認できた法定検査で確認されている。

臨界のデータは、高速増殖炉の実用化に向けて貴重なものになる。もんじゅは軽水炉の多くの経験と教訓とは違い、運転管理や機器の管理は、試験による積み重ねが大事になる。まだまだ、未経験が多い。それも一人ひとりの技術者になおさらだ。

技術の向上は、頭ではわからないことが多い。失敗などトラブルを経験してというが、原子力では許されないことが多い。それでも、運転しているとの停止しているのとは大きく違う。私もかつて、運転実習の中で、計器を見ながら臨界を体験したことはあるが、いまでもはっきり覚えている。

技術者は、机上の学問も大事だが、現場の体験があって成長する。それだけに、今、もんじゅの現場は、ウランの需給が苦しくなる将来を見越して日本のエネルギーの安全保障とも言うべき中で、国策の中で重要な役割を果たしている。

電力は、水力から火力へそして、現在は原子力を加えた組合せベストミックスで進んでいる。「第三の道」とも言うべきエネルギーの道筋だ。地球温暖化とエネルギー枯渇、安全保障と難しい要素が絡むだけに、高速増殖炉の研究は長い着実な「第三の道」のりが要求される。

ところで、菅政権の成長戦略で「第三の道」という言葉をよく使い始めた。かつて、英国の労働党のトニーブレアが確か使っていた。第三の道に対する「第一の道」は、自民党に代表される国の公共事業支出をテコにした景気浮揚策だ。第二のそれは規制緩和を推し進めた小泉改革で、この二つの道と一線を画すという意味での「第三の道」である。

社会保障や医療、環境分野などで需要、雇用を政府が生み出していこうという路線。人口減少、少子高齢化で、成熟化しつつある日本で、手本がないだけに、「第三の道」とは大事な見方かもしれない。

ところで、1952年の映画「第三の男」は、常に名作のベスト10に名を連ねる。第2次大戦直後のウィーンを舞台に、モノクロ画面に交錯する光と影が緊迫感を漂わせるサスペンス。その冷たい表情にチター演奏のテーマ曲が重なるラストは秀逸だ。「終わりよければ、すべてよし」を地で行くような映画だ。

もんじゅの研究も、菅政権も、「第三の道」で前途多難だが頑張ってほしい。
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