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息の長い取り組みが必要な人材育成
昨日は、議会の予算決算常任委員会と議会運営委員会(議運)。今議会での委員会での審査はすべて終え、本会議での採決を待つのみとなった。JR敦賀駅前の再開発も駐車場を中心とするAゾーンの考え方も明らかになり、広域連携大学に加え、原子力の新たな拠点が出来上がることになる。

ところで、35年余り前にベストセラーとなった『逆転の発想』。窮地に陥っても視点を変え、新たな道を探し、挑戦する大切さが説かれていた。著者は、日本の宇宙開発・ロケット開発の父、糸川英夫さん。前にも書いたが、戦後初の発射実験を行ったロケットは全長わずか23センチ。宇宙開発では先進国の米国やソ連とは比較にならない低予算の中で知恵を絞り、小型のロケットで実験を重ね、基礎データを集めた。糸川さんの魂を受け継ぐ科学者が、打ち上げから七年を経て、はやぶさを見事に帰還させた。帰還は不可能と思われた。しかし、糸川さんの教えを引き継ぐ科学者たちはあきらめずに解決策を探した。

日本独自の技術とチームワークで苦境を乗り切った関係者の信念と執念は、科学者以外にも大切なメッセージとして伝わる。成功の裏側には教育の大事さがあると思っている。原子力の分野も平和利用の研究から始まって半世紀。大学はもちろん、日本原子力研究所など、技術者の養成には、国は多額な経費をつぎ込んできた。その結果が、原子力発電所54基、電力の3分の1を支える基盤でもあるとも断言できる。

発電所の運転管理責任者も、福島や敦賀の運転訓練センターなど各電力会社が多額な経費を使って養成している。

APEC=アジア太平洋経済協力会議のエネルギー大臣会合の開催をきっかけに、原子力分野での人材育成に関する県の取り組みに、国際的な注目が集まると報じられたが、今後の、地球環境問題を考えると、これまでと同様、息の長い重要な課題だ。

今回のエネルギー大臣会合では、地球温暖化対策に対応するエネルギーとして、原子力発電の普及を促すことを初めて盛り込んだ共同宣言が採択され、原子力発電を支える原子力分野での人材育成が最重要な課題として取り上げられたことは意義深い。

県は、人材育成の一環として、国の内外から研修生を受け入れる窓口となる「県国際原子力人材育成センター」開設を来年4月に予定しているとのこと。今後の原子力分野での発展に貢献するにも、基盤整備が何よりも大事だ。茨城県東海村には、東京大学の研究炉、大学院の原子力専門技術者養成機関もある。原子力機構にも研究炉はもちろん、養成機関がある。私もここで半年、教育を受け、原子炉主任技術者の免許を得た。原子力の基礎知識から研究炉を使った運転実習など、申し分のない教育環境が整っている。

敦賀に西の拠点をつくろうとする今回のエネルギー研究開発拠点化は、息の長い、国の後押しが必要なことはいうまでもない。そのいみで今回のAPECは意義深いかったとも思っている。敦賀には4つの炉型が違う発電所あるといわれるが、それだけでは、人材育成にならない。沓見にある運転訓練センターや長谷ある若狭湾エネルギー研究所に加え、今議会で建設が進むことになる広域連携大学、今回、駅前に計画されつつある研究所など、新たな施設が加わる。人材育成となれば、各大学で持っていた訓練炉や研究炉が老朽化で、閉鎖したり維持管理費で悩んでいる。次世代育成のためにも、敦賀での整備がこれからの課題だ。

いずれにしても、これまでの足し算的な発想ではなく、掛け算的な発想で、どうリンクさせ、有機的に世界から注目される拠点になるか、まさに緒に就いたばかりだ。人材育成の取り組みは、時間と経費を要することだけは確かだ。
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【2010/06/22】 | ページトップ↑
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